【2024年】トヨタ 新型シエンタのサイズや価格、燃費、おすすめグレードなどを紹介

2022年8月にフルモデルチェンジをしたトヨタ 新型シエンタは、使い勝手や燃費性能の良さ、先進安全装備の充実などにより、人気の高いコンパクトミニバンです。本記事では、そんな新型シエンタをおすすめする理由や、ボディサイズ、価格、燃費、グレード展開、おすすめグレード、試乗時のポイント、納期など、新型シエンタの購入を検討するうえで役立つ情報をカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが解説します。

トヨタ 新型シエンタ(3代目)

新型シエンタとは? おすすめな理由は?

コンパクトな5ナンバーサイズで取り回し良好。価格も安価

新型シエンタ

トヨタ シエンタは、全長を4,300mm以下に抑えたコンパクトなミニバンです。コンパクトカー並みの取り回しの良さで、価格も抑えられています。

最も安価なグレードのX(ガソリン車)であれば、7人乗りでも価格が200万円を下まわります。

コンパクトながら空間効率が優れている

コンパクトなボディながら、空間効率は優れており、多人数乗車にも対応できます。

3列シートの7人乗りが売れ筋ですが、2列シートの5人乗りも選択可能です。

薄型燃料タンクの採用により、3列目のシートに座っても床と座面の間隔が十分に確保され、膝の持ち上がる窮屈な姿勢にはなりません。

ハイブリッドが人気。ミニバン最多販売車種にも

パワートレインは、直列4気筒1.5Lのノーマルエンジンとハイブリッドで、販売総数の約80%をハイブリッドが占めています。

新型が発売されたのは2022年で、2023年には1か月平均で約1万1000台が登録され、ミニバンの最多販売車種になりました。人気はとても高いです。

新型シエンタのボディサイズ

寸法はすべてmm (※)E-Fourの全高は1715mm

新型シエンタ, 先代シエンタ
新型シエンタ, 先代シエンタ

新型シエンタのボディサイズは全長4,260mm×全幅1,695mm×全高1,695(E-Fourは1,715)mmです。

先代シエンタは全長4,235mm×全幅1,695mm×全高1,675mmでした。

先代と新型で比較してみましょう。

新型シエンタでは全長が25mm拡大され、全高が20mm高くなっています。全幅は5ナンバーサイズいっぱいの1,695mmで変更はなく、ホイールベースは同じ2,750mmです。

新型シエンタの新車価格、グレード展開、グレード別の価格

新車価格

新型シエンタの新車価格は195万円〜310万8000円です。

グレード展開

グレード別の価格

価格や燃費は2024年4月時点のもの

新型シエンタのレビュー・評価

新型シエンタの5段階評価

外観(エクステリア)

新型シエンタの外観

サイドウインドウの面積が広く、視界も優れ、ミニバンらしいデザインです。フロントマスクには存在感があります。

内装(インテリア)

新型シエンタの内装
新型シエンタの内装(3列目シート)

内装の質は十分で、収納設備も豊富です。3列目シートも床と座面の間隔に余裕があり、ボディが小さい割に快適です。

走行性能

新型シエンタは重心が低いので、走行も安定しています

全高を1700mm以下に抑えたこともあり、重心が高すぎず、走行安定性も満足できます。

1.5Lエンジンの動力性能は平均水準です。

運転のしやすさ

新型シエンタの運転時の視界

全長が4,260mmのボディは、サイドウインドウの下端が低めで視界が良く、最小回転半径も5mなので小回りも利きます。運転しやすいクルマです。

乗り心地

時速40km以下で路面の荒れた街中を走ると硬めに感じますが、突き上げ感は抑えられています。ハイブリッドの乗り心地は快適です。

燃費

7人乗りのWLTCモード燃費は、ノーマルエンジンのGグレードが18.3km/L、ハイブリッドのGグレードは28.2km/L。ハイブリッドは燃料代を約35%節約できます。

燃費は2024年4月時点のもの

価格の割安度

買い得な7人乗りのGグレードは、ノーマルエンジンなら価格は234万円です。

ハイブリッドは269万円ですから、価格アップを35万円に抑えました。

リセールバリュー

コンパクトミニバンは車種の数が少ないので、数年後の下取査定で不利になる可能性は低いです。

特に新型シエンタは、設計が比較的新しく、好条件で売却しやすいです。ノーマルエンジンよりもハイブリッドが有利です。

総合評価

新型シエンタに1.5Lノーマルエンジンを搭載する中級グレードのGは、234万円です。対して、ミドルサイズミニバンのトヨタ ノアに2Lのノーマルエンジンを搭載するGグレードは297万円です。

ノアの外観
ノアの内装(2列目シート)

新型シエンタとノアのGグレードを比較すると、シエンタのほうが63万円安いです。

さらにシエンタは5ナンバーサイズのボディで運転しやすく、燃費も優れているので、これらの強みによってミニバンの販売1位(2023年1ヶ月平均)になりました。

ちなみに15年ほど前のノアの主力グレードは、価格が230万円前後でした。

つまり今はミニバンの売れ筋価格帯に、ノアではなくシエンタが位置しているのです。

ただし、3列目のシートは膝先空間が狭いため、多人数で乗車する場合は注意が必要ですが、前述の通り低床設計ですから膝が持ち上がる姿勢にはなりにくいです。

2列目のスライド位置を少し前寄りに調節すると、3列目の足元も広がり、片道1時間程度までなら大人の多人数乗車も可能です。

3列目シートを2列目シートの下側に収納した状態,3列目シートを収納後、2列目シートを展開した状態
3列目シートを2列目シートの下側に収納した状態,3列目シートを収納後、2列目シートを展開した状態

そして3列目シートは、2列目の下側にコンパクトに格納できます。この時には3列目は荷室側へ露出せず、スッキリと広い荷室になります。

路面から荷室床面までの高さも505mmと低く、重い荷物も積みやすいです。

以上のように新型シエンタは、運転しやすい経済的なコンパクトミニバンでありながら、居住性や荷物の積載性も優れています。買い得度の高いミニバンです。

新型シエンタのおすすめグレード

シエンタには2列シートの5人乗りと3列の7人乗り、ノーマルエンジンとハイブリッドがあり、それぞれに複数のグレードが設定されています。

おすすめなのは、シート配列が多人数乗車の可能な3列の7人乗り仕様。そしてパワーユニットは35万円の上乗せで燃費、加速の滑らかさ、静粛性が向上するハイブリッドです。

そしてグレードは、Xでは装備がシンプルなので、中級のGを推奨します。LEDヘッドランプ、後方の接近車両を検知して知らせるブラインドスポットモニターなどを標準装着して、価格は割安に抑えられています。

新型シエンタのカラーバリエーション

新型シエンタのライバル比較

5ナンバーサイズのコンパクトミニバンは、実質的にシエンタとライバル車のホンダ フリードのみです。

ホンダ フリードの外観,ホンダ フリードの内装(2列目シート)
ホンダ フリードの外観,ホンダ フリードの内装(2列目シート)

フリードは2024年中にフルモデルチェンジを受ける予定で、それまではハイブリッドシステムや安全装備の設計が古いです。ステアリングの操舵感や走行安定性もいま一歩です。

フリードでは2列目がセパレートタイプになるキャプテンシートのグレードを豊富に用意していますが、商品力を総合的に判断すると、新型シエンタが優れています。

新型シエンタを販売店で試乗するときのポイント

多人数で乗車するユーザーは、3列目シートの広さや座り心地を確認しましょう。

まずは運転席に座って運転姿勢を調節したら、次は2列目の右側に座り、膝先空間を握りコブシ1つ分に調節します。その後、3列目の右側に座ると、居住性を確認しやすいです。

荷室の広さやシートアレンジもチェックしましょう。3列目を格納する時は、2列目も動かす必要があるので、少々面倒です。荷室の床の高さ、さらに収納設備なども確かめます。

試乗を開始したら、路面の荒れた街中を走り、乗り心地に硬さを感じないかを確認します。登り坂では、動力性能に不足はないか、エンジンノイズが騒々しく感じないかをチェックしましょう。

新型シエンタの納期、モデルチェンジ予想

現行シエンタの発売は2022年ですから、当分の間、フルモデルチェンジは実施されません。

従って購入時期を延期する必要はありませんが、細かな改良や特別仕様車の追加は実施されるでしょう。

新型シエンタの良い点、気になる点

新型シエンタはこんな人におすすめ

1. 扱いやすさ、走りやすさと、万能な使い勝手のすべてを5ナンバー車に求める人

2. コンパクトなクルマでも、アウトドア、車中泊性能に満足したい人(2列シート車)

3. 後席の乗降性の良さから子育て世代や家族に高齢者のいるファミリー

新型シエンタの基本スペック

(※)E-Fourの全高は1715mm

【筆者:渡辺 陽一郎/カメラマン:茂呂 幸正】

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