ドキュメンタリー映画『飯舘村 べこやの母ちゃん─それぞれの選択』、予告編解禁

2011年3月に起こった福島第一原発の事故によって全村避難を余儀なくされた飯舘村を舞台にしたドキュメンタリー映画『飯舘村 べこやの母ちゃん』(監督:古居みずえ / 配給協力:リガード)が、2023年3月11日よりポレポレ東中野ほか全国順次公開となる。このたび、公開に先立ち、予告編が解禁された。

© Mizue Furui 2022

今回、解禁された予告編では、牛を泣く泣く手放し、故郷に戻れる日を待ちわびる中島信子さん(「第1章 故郷への思い」)、牛とともに故郷を離れ、新天地で酪農を続ける決断をした原田公子さん(「第2章 べこと ともに」)、牛だけでなく、子どもや孫たちとの暮らしを奪われながらも、先祖代々の土地を守るために飯舘村へ戻る決心をした長谷川花子さん(「第3章 帰村」)という、3人の女性の姿を映し出す。

▼『飯舘村 べこやの母ちゃん─それぞれの選択』予告編

YouTube URL:https://youtu.be/WT28LLVfjS0

豊かな自然に恵まれた福島県相馬郡飯舘村。かつてはブランド牛の生産地として知られ、酪農も盛んだった。しかし、福島第一原発事故後、放射能汚染が懸念された飯舘村の牛たちは牛乳の出荷も、移動も、牧草地の草を食べることも禁止に。さらには、2011年4月に全村避難が決定。村民の多くが暮らしと生業を突然うばわれてしまった。2017年3月、帰還困難区域を除く全ての区域で避難指示が解除されたが、6年という年月はあまりに長く、帰村した村民は約2割にとどまっている(※2022年12月現在)。 牛を続けた人、やめた人。飯舘村を離れた人、戻った人。この間、一人ひとりが大きな人生の選択をしてきた。牛(べこ)とともに生きてきた母ちゃんたちも、どん底の思いをしながら、それぞれが悩み、苦しみ、ときには笑いながら生きてきた。

© Mizue Furui 2022

その強さと逞しさに惹かれたのは、パレスチナの女性たちの取材を長年続けてきた古居みずえ監督。福島に拠点を構え、故郷、生業、家族のはざまで揺れる飯舘村の女性たちの心情を丁寧に記録。10年以上の撮影・制作期間を経て完成した、全3章・3時間に及ぶドキュメンタリーだ。

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