【釜石】東日本大震災で津波に襲われたまちで「楽しみながら」防災を学ぼう!【東北・岩手】

  • 目次

1.「うのすまい・トモス」とは

うのすまい・トモス」は三陸鉄道リアス線の鵜住居駅から見える位置にあります。リアス線は運行本数が多くないため、時刻表をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。車でのアクセスは、釜石市内から15分ほどの距離にあり、広い駐車場は無料で利用することができます。現在の鵜住居駅は復旧工事で再建されたものです。津波で駅舎が流失し、元々住宅が広がる場所であった鵜住居地区では多くの犠牲を出しました。一方で、子どもの生還率は98%超と非常に高く、防災教育が高く評価された地域でもあります。

2.無料ガイドで学ぶ 震災の記憶と後世への教訓

エリア内施設のひとつである「いのちをつなぐ未来館」は震災伝承と防災学習のための施設です。入場料は無料で、事前予約をすれば、館内ガイドさんの解説を聞きながら展示を案内してもらうことができます。案内時間の目安は約20~30分、ガイドさんへのチップも不要です。質問も受けてくれるので展示をより深く理解したい方にはぜひおすすめしたいプログラムです。

館内は3室で構成されています。釜石での津波による被害状況と震災後7日間の動きを知ることができる第1室、多くの方が犠牲となった鵜住居防災センターでの出来事を展示した第2室、生還率が非常に高かった釜石の子どもたちの避難の動きについて展示した第3室をぐるりと巡り、震災が実際にどのようなものであったのかを学ぶことができます。

館内にはこのほかにも東日本大震災に関する書籍や資料、寄贈された写真などが閲覧できる図書スペースもあります。震災の教訓を糧に、防災について考えてみるきっかけになりそうです。

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3.語り部と現地を歩く体験プログラム

未来館を出て、鵜住居地区を実際に歩いてみる体験プログラムもおすすめです。

釜石では甚大な被害があった一方、市内の小中学校に当日登校していた生徒は全員生存し、その防災教育が高く評価されました。プログラムでは釜石の子どもたちが当時辿った避難道を歩いたり、校舎があった場所に建造された釜石鵜住居復興スタジアムを見学したりしながら、鵜住居でのできごとを知り、防災について学びます。体験プログラムはいずれも事前申込制で有料となります。

① 避難路追体験

鵜住居地区では多くの方が犠牲となりましたが、地区の子どもたちはほとんどが生還することができました。日ごろの防災教育の成果が評価された一方、実際の避難時にはさまざまな困難に直面していました。本プログラムでは未来館を出発し、ガイドさんの話を聞きながら、当時鵜住居小学校と釜石東中学校があった場所から、高台への避難路となる約1.6キロメートルを実際に歩いてみます。

② 水門防潮堤見学

高さ14.5m、全長180mにもなる巨大な鵜住居川水門は、津波被害を受けたのちに建造されました。現在も地域の防災を担っています。見学プログラムでは、東日本大震災当時に、この地区で起こった出来事について地域の水門管理者とガイドさんからお話を聞きながら、水門・防潮堤の役割や防災意識の大切さを学びます。

③ 釜石鵜住居復興スタジアム見学

復興スタジアムは、鵜住居の復興の象徴ともいえる存在です。スタジアムが建つ地には、かつてこの地区の小学校と中学校がありましたが、津波で水没しました。現在は両校とも高台に移転しています。

スタジアムは豊かな海、山、川に囲まれていて、かつ地元の木材を使用した開放的なスタンドを擁し、自然を全身で感じられる造りとなっています。復興の真っただ中で開催された2019年ラグビーワールドカップの舞台にもなりました。

本プログラムは復興スタジアムを訪れ、震災や建設にまつわるエピソードを聞きながら、ロッカールームなどの内部を見学します(グラウンドへの立ち入りはできません)。

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「うのすまい・トモス」で開催されている防災プログラムからおすすめをご紹介しました!

「うのすまい・トモス」にはこのほかにも、お食事や釜石土産の購入ができる「鵜の里交流館」、東日本大震災の犠牲者を慰霊・追悼する「釜石祈りのパーク」などがあります。半日から1日じっくり滞在して、防災に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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