不用品回収拠点で農産物を販売 平林金属、集客力生かし農家応援

平林金属が「えこ便」で販売しているコメ

 リサイクル業の平林金属(岡山市北区下中野)は、不用品回収施設「えこ便」で農産物の販売を始めた。担い手不足や高齢化が深刻な地域農業の活性化につなげる。

 えこ便は家庭から金属や紙類などを回収する拠点で、約13万人が会員登録している。集客力を生かして、有機栽培など付加価値の高い作物や、形が悪いといった理由で流通ルートに乗らない規格外品を販売し、農家の収入安定を図る。

 第1弾として、契約農家が農薬や化学肥料の使用量を抑えて栽培したコメを販売。赤磐市産ヒノヒカリと美作市産きぬむすめで、いずれも2キロ1200円と5キロ2700円(各サイズとも100袋限定)。えこ便全5店舗のうち、岡山市内の4店舗で扱っている。現金のほか、不用品を持ち込んだ際に付与されるポイントでも購入できる。専用のオンラインショップも開設した。

 えこ便事業部内のプロジェクトチームで新たな契約農家の開拓を進めており、商品は随時増やす。同社は「食料の安定供給に関心が高まる中、事業を通じて地域農業の維持に貢献したい」としている。

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