西村経産相、所得制限撤廃に反意 立民若手が自民内の不一致あぶり出し 与党「生中継がなくて良かった」

国会

 衆院予算委員会が1日開かれ、各党からの2巡目となる基本的質疑が行われた。西村康稔経産相は児童手当の所得制限撤廃を巡り、立憲民主党の大西健介氏への答弁で「より厳しい対象者への上乗せを優先すべきだ」と反意を明言した。花形委員会に若手を起用して岸田文雄首相らを攻めた同党の戦術が自民内の不一致をあぶりだした形で、与党からは「1巡目のようにNHKテレビの生中継がなくて良かった」(自民幹部)との本音が漏れた。

 大西氏は旧民主党政権が公約として支給を進めた所得制限なしの「子ども手当」政策を巡り、当時野党だた自民の国会答弁を列挙。永岡桂子文部科学相の「単なるばらまき」、西村経産相の「何で高額所得者までに支給するのか」など委員席に座る閣僚のかつての発言をパネルで示し、「政策転換にあたってどう釈明するのか」とただした。

 永岡氏は「内閣の一員として政府与党の方針に従う」と答弁したが、西村氏は「今の所得制限は年1200万円以上で、受け取っていない人は1割程度と記憶する」と前置きした上で「より厳しい人に上乗せ措置をすべきだ。その思いは今も持っている」などと明言した。閣僚が野党の質問に突然カミングアウトしたことで委員会室はどよめき、「与党内にもさまざま議論があることがはっきりした。総理もしっかり調整を」との大西氏の促しに首相は厳しい表情を浮かべた。

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