南足柄の6棟延焼火災から一家3人救出 通りかかった男女3人が連携 「再会できてよかった」

火災現場から一家を救出したとして表彰された鈴木さん(左)と沼田さん(右)=31日、小田原市消防本部

 住宅火災から一家3人を救い出したとして、小田原市消防本部は31日、南足柄市在住の自営業鈴木昭さんら男女3人を表彰した。火災は強風により6棟に燃え広がったが、3人が連携して救助したことで死者を出すことなく、3人は「家族が無事に再会できてよかった」と胸をなで下ろした。

 表彰されたのは鈴木さんと南足柄市の川本恵美さん、同市環境課長の沼田一直さん。鈴木さんと沼田さんが同日、同本部を訪れ、感謝状を受け取った。

 火災は昨年10月4日午後、同市生駒にある80代夫婦の住宅で発生。それぞれ近くを通りかかった3人は煙を見つけて現場に駆けつけた。鈴木さんと川本さんは火の手に阻まれて逃げられなくなった一家に声をかけ、裏手の寺院の敷地から脚立で壁越しに引っ張って救い出した。沼田さんは近隣住民を避難誘導した後、被災した夫婦を背負い、近くの公民館まで送り届けた。

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