「まな板の上の鯉ですから」姉も待つ “袴田事件”3月中旬までに再審の可否決定へー東京高裁 「5点の衣類」の“血の赤み”めぐり検察側と弁護側の主張対立

再審の扉は果たして開かれるのでしょうか。1966年、旧静岡県清水市(現静岡市清水区)のみそ製造工場で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」をめぐって、東京高裁が再審=裁判のやり直しの可否を、3月中旬までに決定する意向であることが関係者への取材でわかりました。

関係者によりますと、死刑判決が確定している袴田巖さんの再審を求める差し戻し審の決定日について、東京高裁は弁護団に3月13日、もしくは、15日を候補日として提示しているということです。

差し戻し審をめぐっては、弁護側は犯人が着用していたとされるいわゆる「5点の衣類」の血の赤みについて、実験などの結果「長期間みそにつけると赤みは残らない」と結論付け、「5点の衣類」はねつ造されたもので、袴田さんは犯人ではないと主張。

一方、検察側は独自の実験の結果、長期間みそ漬けにしても血痕の赤みは残ったと主張しています。

東京高裁は弁護団の希望を考慮した上で、1か月前には決定日時を通知する見込みです。

いよいよ、東京高裁の判断が出されることについて袴田さんの姉・秀子さんは次のように語りました。

<袴田巖さんの姉秀子さん>

「(候補)日が決まったっていうだけのことなので、決定の当日までは裁判所に行かないとわからないことだから、まな板の(上の)鯉ですから。56年間闘ってきたんですよ。再審開始をひたすら願っております」

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