関西電力高浜原発4号機、「自動停止」15時間前に制御棒駆動装置で警報 因果関係は不明

関西電力高浜原発4号機(手前)=福井県高浜町

 関西電力は2月1日、福井県の高浜原発4号機(加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)の原子炉内で中性子の量が急激に減少したことを知らせる警報が作動し自動停止したトラブルで、約15時間前に制御棒駆動装置の異常を知らせる警報が鳴ったことを明らかにした。自動停止との因果関係は不明としている。

 駆動装置は原子炉容器の頂部に取り付けられ、制御棒を上下に動かし炉心の出力を調整している。関電によると、1月30日午前0時12分、駆動装置の異常を知らせる警報が作動。点検の結果、制御棒を駆動装置に固定する器具2カ所のうち1カ所で電圧が通常より低いことが分かった。午後2時から詳細点検を実施したところ、同3時21分に原子炉が自動停止した。

⇒1月30日、関西電力高浜原発4号機の原子炉が自動停止

 制御棒駆動装置の警報は1月25、29日にも作動したが、このときには電圧などに問題はなかった。関電は1日、自動停止の原因調査に着手した。制御棒駆動装置や中性子検出器の異常の有無などを調べる。

 原子力規制委員会は1日、一連のトラブルについて報告を受けた。原子力規制庁の担当者は「詳細な調査は今後」と説明した上で、考えられる原因として▽制御棒制御系の異常▽制御棒の連続挿入および落下―を挙げた。山中伸介委員長は「原子炉を『止める』という極めて重要な部位に対するトラブル」と述べ、関電に公開の会合で原因について説明を求める方針を示した。

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