キャバクラ通いの元経理、解雇されるまで8400万円超を横領か…1人で重要業務 取引先の催促で発覚

会社から1千万円着服

 会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。

 逮捕容疑は、「高砂食品」(現シマダヤ関東)=深谷市=の総務部チームリーダーとして経理業務に従事していた2017年5月31日~18年3月28日の間、30回にわたり、インターネットバンキングを利用して、会社名義の預金口座から自身名義の普通預金口座に計1084万円を振り込み入金し、横領した疑い。1回当たり数万~数十万円を多い月で4回振り込んでいた。

 捜査2課によると、男は伝票の照合などは部下にやらせて、会社名義の預金口座の管理や取引先への支払いなどの重要業務は1人で担当していた。発覚を免れるため、振り込み先にある自分の名前を削除するなど一部の書類を偽造する隠蔽(いんぺい)工作を行っていたとみられる。

 18年4月に高砂食品を含む関東近郊の関連会社6社が合併して、シマダヤ関東の社名となった。昨年1月、同社埼玉工場の取引先から未払い金の支払いを催促されたことで内部調査を実施し、経理担当者だった男の関与が発覚。同社関係者が深谷署に告訴していた。

 男は高砂食品から合併後も総務課長を務め、経理業務を担当。17年5月から解雇された昨年5月までの約5年間、インターネットバンキングを利用した同様の手口で、8400万円以上を横領していたとみられる。

 男は調べ対し、容疑を認め「キャバクラなどに使った」と供述しているという。県警は余罪の裏付けを進めるとともに、使途先などを詳しく調べている。

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