千代田区が過去最大規模の予算案 子育て支援が全体の3割占める

千代田区が2023年度の予算案を発表しました。過去最大規模の予算となり、中でも子育てに関する政策が全体のおよそ3割を占めます。千代田区の子育て支援策について、樋口高顕区長に聞きました。

発表された千代田区の新年度予算案は2022年度から59億円ほど増え、過去最大のおよそ750億円となりました。中でも特に力を入れたのが「子育て支援のさらなる充実」(樋口区長)です。750億円のうち、子育て予算として総額245億円を充てました。樋口区長は「予算総額の33%を占めている」と示した上で「都心においても心が豊かな暮らしや子育てができる街へと取り組んでいきたい」と述べました。主な子育て支援策として、病児・病後児保育の整備や医療的ケア児を対象としたショートステイ事業などの予算を計上しています。

中でもこの夏、子育てに関する手続きを簡単に行える仕組みをスタートさせます。それが、子育てを応援する「区独自のポータルサイト」の開設です。このポータルサイトを使えば区役所に行かなくてもスマートフォンで母子手帳や出産届の手続きが可能で、さらに予防接種や検診、離乳食の講習会などの情報をオンラインで受け取ることができます。樋口区長は発表会見で「区民一人一人を"個”として捉え、その人に合った情報を届ける中で、さらに申請・予約が1つのサイトで行える今回の取り組みは(自治体の中でも)新しい取り組みではないかと考えている」としています。

樋口区長はこの取り組みを進める背景に都心部ならではの課題があるとして「千代田区は転入・転出の割合が比較的高い街。母親が1人で妊娠期や産後を過ごしているならば、もしかしたらコミュニティーにつながってなく、孤立感に陥ったりする課題もあるかと思う。さまざまな講習会やプログラムも作っているので、こうした機会につながってほしいと考えている」と話しています。

© TOKYO MX