沖縄県、訪問看護の体制強化へ 24年度に支援センターを設置

 人材確保や普及啓発が課題となっている訪問看護提供体制を強化するため、沖縄県は2024年度から県訪問看護総合支援センターを設置する。23年度予算に約1677万円を計上する予定で、業務は県看護協会に委託する。在宅医療の整備、拡充を進める県保健医療部事業の一環。設置すれば全国23カ所目になるという。

 これまでも、人材育成などの訪問看護支援を実施してきたが、新事業ではケアマネジャーや病院関係者、ケースワーカーなど多分野で議論する運営委員会を設置し、現況調査などで施策を検証する。また、利用者向けのコールセンターを設置するなど、訪問看護体制の拠点化を目指す。

 九州厚生局によると、県内の訪問看護事業所は225カ所。県によると、2020年の人口10万人当たりの設置数は全国9.8カ所に対し、県は9.3カ所。事業所が増えつつあるものの、小規模が多い。人材確保も厳しく、経営基盤の強化が急務という。

 また、県内では急速に高齢化が進む一方で、65歳未満の訪問看護利用者が年々減少するなど、普及啓発も課題となっている。県の担当者らは「多くの方が自宅で訪問看護を利用できる環境を作り、健康維持やスムーズに在宅医療に移行する体制を作りたい」と語った。 (嘉陽拓也)

© 株式会社琉球新報社