ジャッジは昨季の活躍を再現できるか 2年連続60発は過去2人だけ

アーロン・ジャッジは昨季開幕前にヤンキースからの長期契約のオファーを断り、FA直前の「勝負のシーズン」を迎えた。その結果は、シーズン本塁打のアメリカン・リーグ記録を更新し、打率.311、62本塁打、131打点、16盗塁、OPS1.111という素晴らしい成績でMVPを受賞。三冠王にあと一歩と迫る大活躍だった。オフにはヤンキースと再契約し、9年3億6000万ドルという超大型契約をゲット。デレック・ジーター以来となるキャプテンにも任命された。そんなジャッジは昨季の素晴らしい活躍を再現することができるのだろうか。

メジャーリーグでは過去にシーズン60本塁打を達成した選手がジャッジを含めてのべ9人いるが、そのうち2年連続で60本以上の本塁打を放った選手は2人しかいない。1998~99年のマーク・マグワイア(70本→65本)と同じく1998~99年のサミー・ソーサ(66本→63本)だ。ただし、彼らはステロイドの力を借りてパワーアップした打者として知られており、ジャッジの比較対象とするのは適切ではないかもしれない。

メジャーリーグの歴史上、シーズン60本塁打を達成した翌年に前年から本塁打数を増やした打者は皆無である。1927年に60本塁打のベーブ・ルースは翌年54本塁打、1961年に61本塁打のロジャー・マリスは翌年33本塁打に終わっており、相手チームからのマークがさらに厳しくなることが予想されるなか、ジャッジが昨季の活躍を再現するのは難しいと思われる。

データサイト「ファングラフス」は今季のジャッジの成績を154試合、打率.278、45本塁打、109打点、10盗塁、OPS.950、WAR7.5と予想している。45本塁打は両リーグ1位、114打点もピート・アロンソ(メッツ)と並んで1位の数字。OPS.950はヨーダン・アルバレス(アストロズ)の.959に次ぐ2位、WAR7.5も大谷翔平(エンゼルス)の投打合計7.6に次ぐ2位となっており、昨季から成績がダウンするのは仕方ないとはいえ、球界トップクラスの成績を残すことが予想されている。これだけの成績を残すことができれば、歴史的なシーズンの翌年としては十分に合格点と言えるのではないだろうか。

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