父の遺志とともに お好み焼き風月 二神ひかり社長

お好み焼き店の「風月」。札幌や旭川、苫小牧に13店を展開。ことしで創業56年目を迎えた。北海道にお好み焼き文化を根付かせた店としても知られている。社長は、2代目の二神ひかりさん。

去年亡くなった創業者で父の敏郎さんから経営を引き継いだ。20歳の時に「ちょっと手伝って」と言われ、はや17年。店長、エリアマネージャー、統括マネージャーと現場一筋を歩んできた。

敏郎さんは大阪出身。札幌の陸上自衛隊に入隊し、除隊後の1967年、中央区内にお好み焼き店をオープン。当時さっぽろにお好み焼き店はなく、「これはいける」と成功を確信したそう。

わずか3坪の店舗からスタートした風月。開店当初は明らかな見切り発車。そんな時に支えとなったのは、近隣の高校生たちのアドバイス。その思い出がぎっしりと詰まった本店、今月11日に老朽化のため閉店することが決まっている。

ひかりさんには、敏郎さんとともに掲げた、ある目標があるという。「ある時私が『ニューヨークに店を出したい』と言ったら父に『アホ、できるわけないやろ』と言われた。(敏郎さんが)23歳の時に『お好み焼きをやりたい』と母親に電話した時『アホ、できるわけないやろ』と言われたと。当時自分が親に言われたことを娘にそのまま言ってしまったと反省したみたいで、2人で一緒の夢を追いかける形になった」と思い出を振り返る。

「おっちゃん」と親しまれた敏郎さんの鉄板人生を背に、ニューヨーク進出という大きな目標の実現へと歩み続けている。
(2023年2月4日放送 テレビ北海道「けいナビ~応援!どさんこ経済~」より)

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