先陣を切るリバリー発表で本気度が垣間見えるハースF1。VF-23のシェイクダウンに向け実車準備も万全か

 2022年同様、F1参戦10チームの先陣を切って1月31日にマネーグラム・ハースF1チームが2023年の新車リバリーを発表した。

 リバリーとはマシンの外観のことで、いわゆるカラーリングのお披露目。したがって、これは2023年シーズンを戦う『VF-23』そのものではなく、コンピュータプログラムを用いてレンダリングされたイメージだ。

 ハースはすでに2月11日にイギリスのシルバーストン・サーキットでVF-23のシェイクダウンを行うことを発表している。ただし、シェイクダウンは一般のメディアを立ち入り禁止にしてサーキットを貸し切って行われるため、そこでも期待するほど多くの情報は得られず、新車のディテールは2月23日に開始されるプレシーズンテストまで待つことになるだろう。

 ただし、今回のリバリー発表スケジュールとシェイクダウンの日程から、ハースが2023年に賭ける本気度が垣間見える。

ブラックを基調にレッド×ホワイトカラーで精悍な印象を与えるVF-23

 ハースはレギュレーションが大きく変わった2022年も一番乗りでリバリーを公表し、コンストラクターズ選手権で前年の10位から8位と2年ぶりに最下位からの脱出に成功した。なお、10位に沈んだ2021年のハースの新車発表は9番目だった。これはリバリーとはいえ、新車の準備が順調に整っていること示唆する。

 もちろん、ハースはそれ以前にも一番乗りでカラーリングを発表したことがあり、早めの発表は決して珍しいことではない。ただし、ハース史上、最も成功を収めた2018年は発表前日にウイリアムズを出し抜くかたちで『VF-18』をいち早くサプライズ公開してコンストラクターズ選手権5位を獲得しており、2023年はその再来となっても不思議はない。

 その2018年は、プレシーズンテスト開始3日前の2月23日にPR目的のフィルミングデー規則を利用し、VF-18のシェイクダウンをカタロニア・サーキットで行ったハース。しかし、2023年のシェイクダウンはテストの12日前となる2月11日と発表されている。同日にリバリー発表会をアメリカ・ニューヨークで行うアルファタウリが4番目のチームであることを考えると、かなり早い段階で実車が準備できていると考えて良いはずだ。

 これはハースの2023年型マシンであるVF-23が、2022年型マシンのVF-22から各部を大きく変更している可能性が考えられる。それが車体側なのかパワーユニット側なのか、あるいは両方なのかはわからないが、マネーグラムとのタイトルスポンサー契約を提携し、カラーリングを一新したハースが要注目な存在であることは間違いない。

ブラック基調にイメージが一新されたVF-23。エンジンカウルにはマネーグラムのロゴが入る
2023年型『VF-23』のカラーリングはブラックを基調にレッドとホワイトが入るデザインに一新された

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