雪山で生きる動物たち!八幡高原で痕跡探し|地球派宣言

中国地方屈指の豪雪地帯、北広島町の八幡高原。

手つかずの自然が残るこの地で、冬の間、動物たちはどのように暮らしているのでしょうか?

空から見た冬の八幡高原

西中国山地自然史研究会の上野吉雄(うえのよしお)さんと、この時期ならではの方法で、痕跡を探しに行きました。

雪が降ると動物たちの足跡や、餌を食べた痕跡などがはっきりと残るため、普段あまり見かけない夜行性の動物たちがどのように生活しているかを知ることができるそうです。

西中国山地自然史研究会 上野吉雄(うえのよしお)さん

取材に訪れたのは、10年に1度の寒波が襲った1月下旬。

60cmを超す積雪の中を進んでいきます…

雪の中を進む上野さん

すると早速、痕跡を発見!

先端がすぱっと切れている木の枝、どうやらノウサギが食べた痕のようです。

ノウサギが食べた木の枝

姿を見ることはできませんでしたが、食事の後は木の根元にある穴で休息するそう。

ノウサギの寝床

続いて、上野さんが発見したのが野鳥たちが冬を越すために欠かせないツルウメモドキ。

この真っ赤な実が、ツグミなどの野鳥たちの貴重な栄養源になります。

ツルウメモドキ

そして雪の勢いが増す中、ついにはっきりとした足跡を発見。

指が5本、そして民家の周りにあるということで「イタチの仲間、テンの足跡」と導きだした上野さん。

テンの足跡

テンの剥製

さらに周囲にはテンが民家の柱を登った痕跡も。

寒さをしのぐため屋根裏を寝床にしているそうです。

人の暮らしを巧みに利用して、共存している様子が分かりました。

取材した日はあいにくの大雪で、動物の足跡が埋もれてしまっていましたが、条件が良い日は、ノウサギやキツネ、タヌキなどの足跡も見られるとのことでした。

雪に覆われた世界で、春を待ちながら、たくましく生きている動物たち。

皆さんもこの時期ならではの方法で、彼らの暮らしをのぞいてみてはいかがでしょうか?

大雪の八幡高原

広島ホームテレビ『5up!
地球派宣言コーナー(2023年2月1日放送)

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