生命保険はどこで契約をするのが得? 気になる疑問と保険料を少しでも安くする方法をFPが解説

「生命保険はどこで契約をするのがお得ですか?」と聞かれることがあります。

じつは、生命保険の場合、同じ商品で同じ契約ならば、保険の営業員からでもネットからでも、どこで契約をしても保険料は同じなのです。保険料の割引をしてはいけないと、法律で決まっているからです。

とはいっても、保険料がお得になる契約の仕方はあります。物価上昇が続いている2023年も物価上昇が続く見通しで、家計にとっては厳しい時代になってきています。少しでも保険料を安くする方法を解説していきましょう。


保険料をまとめて支払うとお得になる

では、半年払いとか年払いの場合には、どのくらい保険料が安くなるのでしょうか? 具体的な例をあげながら、説明をします(下記の数字は一例で、保険会社によって割引率は異なります)。月額の保険料が1万7332円だとします。半年払いにすると半年間で10万3072円。年払いにすると年間で20万4023円です。

比べられるように1年間の保険料にすると、次のようになります。

月払いの年間の保険料:年間20万7984円
半年払いの年間の保険料:年間20万6144円
年払いの年間の保険料:年間20万4023円

これでわかるように、月払いと比べて年払いの方が、年間3961円安くなります(年間20万7984円-年間20万4023円=3961円)。

「なんだ、1年で約4000円しか安くならないのか」なんて思っていませんか? 生命保険というのは超長期の契約ですから、10年・20年・30年と支払が続きます。

すると、20年間では、約8万円の節約になるのです(年間3961円×20年=7万9220円)。

しかも、一度年払いにしておくと、その後の手続きは不要のため、ほったらかしで節約ができます。どうせ保険料を払うのであれば、少しでも安い方がいいですよね。ただし、年払いのデメリットは、一度に支払う金額が高額になることです。ですから、無理のないように、保険料の支払いをボーナス時期とあわせることも一つの方法です。

クレジットカード払いにするとポイントがお得になる

さらに支払方法をクレジットカード払いにすると、カードのポイントが付与されるので、さらにお得になります。では、どのくらい節約できるのかを計算してみましょう。先程の保険を例にして説明をします。

保険料を年払いにすると、年間の保険料は20万4023円でしたね。還元率が1%のクレジットカード払いにすると、2040ポイントが付与されます。年払いで得する分とポイントで得する分をあわせると、年間約6000円の得になります。

【計算】
月払いを年払いにすることで、年間3961円の得
クレジットカードのポイントが、年間2040ポイント=2040円の得(1ポイント=1円で計算)
3961円+2040円=6001円の得

先程も述べましたが、生命保険の支払いは長期になります。20年間支払ったとすると、約12万円の得になります(6001円×20年=12万20円)。

生命保険料控除で税金が戻ってくる

さらに、忘れてはいけないのが、「生命保険料控除」です。生命保険の保険料を支払うと、一定の金額が所得から控除されます。どのくらい税金が安くなるのかというと、契約をした時期が2012年以前と以降では異なります。

2012年以前の契約は、2種類に分けられていましたが、2021年以降は3種類に分かれています。2012年1月以降の契約は、それぞれ1年間に8万円以上の保険料を支払うと、所得税の控除額は4万円、住民税の控除額額は2万8000円です。

たとえば、年間8万円以上の保険料を支払っている人で、所得税の課税が10%の場合は、所得税と住民税をあわせて6800円の税金が戻ってきます(所得税4000円+住民税2800円=6800円)。

会社員や公務員は、年末調整のときに、生命保険料控除の書類を提出することで、所得税・住民税の控除が受けられます。一方、自営業者などは確定申告のときに記入をします。保険会社から生命保険料控除の書類が送られてきます。くれぐれも手続きを忘れないようにしてください。

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