人間国宝が広げる備前焼の世界 4日から新見で伊勢崎さん作品展

伊勢崎淳さん

 備前焼の人間国宝(重要無形文化財保持者)伊勢崎淳さん(86)=備前市=の作品を紹介する「人間国宝 伊勢崎淳 備前の世界」(新見市、山陽新聞社など主催)が4日、新見美術館(同市西方)で始まる。

 美術館が収蔵する11点に代表作や新作、揮毫(きごう)作品などを加えた計51点を展観する。

 収蔵品のうち9点は2020年に本人から寄贈され、美術館初公開。「黒茶碗(わん)」「大皿」「角花生」など精巧な技や多彩な表情を堪能できる優品が披露される。このほか、表面の黒と金色が存在感を際立たせる「黒い太陽(完全黒体)」、新作「出口はこちら」といったオブジェも並ぶ。

 美術館は「人間国宝の圧倒的な技術と、伝統に創意を加えて備前焼の可能性を広げてきた作品世界を楽しんでほしい」としている。

 開幕を記念し、初日は午前10時から伊勢崎さんのオープニングトークがある。定員50人(要申し込み)。

 会期は4月9日まで。午前9時半~午後5時。月曜休館。観覧料は一般800円、大学生500円など。問い合わせは美術館(0867―72―7851)。

「黒茶碗」2019年
「大皿」2019年
「黒い太陽(完全黒体)」1983年
「出口はこちら」2022年
「緋襷風雪」2015年ごろ
「ガイア」2021年

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