<新型コロナ>クラスター25件…埼玉2033人感染、11人死亡 社会経済は「大転換」を迎えていた

埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は2日、新型コロナウイルスに感染していた11人が死亡し、新たに0~90歳以上の2033人の感染を確認したと発表した。感染者の内訳は県管轄が1388人、さいたま市313人、川口市136人、川越市86人、越谷市110人。

 これまでに確認された感染者は176万3031人。死者は3620人。1日夜時点の重症者は27人、入院は1006人、宿泊療養は271人。

 県によると県管轄では60~90代の男女10人が死亡。川口市では90代の女性1人が死亡した。

 クラスター(感染者集団)関連は25件で、新たに高齢者施設など3件で5~9人が感染した。

■コロナ流行3年目で大転換、県内の有効求人倍率

 埼玉労働局は31日、12月の県内の有効求人倍率(季節調整値)が前月と同水準の1.06倍だったと発表した。2022年の平均では前年より0.10ポイント増の1.03倍(原数値)で、4年ぶりに増加した。久知良俊二局長は「新型コロナウイルス流行3年目で、大きな転換期だった。ウィズコロナの浸透で社会経済活動が正常に進んでいる」と分析した。

 季節調整値で、12月の県内の有効求人数は前月比0.7%増の9万5368人。有効求職者数は同0.5%増の8万9732人で、増加率がほぼ同水準だった。新規求人倍率は同0.11ポイント増の2.07倍で、新規求人数は同4.7%増の3万3904人、新規求職数は同0.9%減の1万6356人。

 主要11産業別の求人状況で前年同月比の増加率が最も高かったのは、運輸、郵便業で30.7%増加。県内の運送業では配送依頼は増えたものの、燃料費高騰などが利益を圧迫している状況があるという。減少したのは5業種で、前年の求人増加の反動などが要因とみられ、業況の悪化はしていない。

 実際に仕事をする就業地別の有効求人倍率は前月と同水準の1.16倍で、全国42位。関東6都県では茨城県が1.66倍、栃木県が1.31倍、群馬県が1.63倍、千葉県が1.19倍、神奈川県が1.08倍、東京都が1.15倍だった。

 22年の平均では、原数値で県内の有効求人数が前年から同11.1%増の9万4680人、有効求職者数は同0.6%増の9万2073人。新規求人倍率は同0.17ポイント増の1.90倍、新規求人数は同9.3%増の38万9754人、新規求職数は同0.4%減の20万5386人だった。

 久知良局長は22年について「物価高などの影響は大きかったが、企業の雇用調整はごくわずかで、製造業の生産拠点の国内回帰も含めて人手不足の状況が見られた」と総括。「雇用情勢は一進一退を繰り返しながら徐々に回復していくとみられる」とした。

【有効求人倍率】 ハローワークで仕事を探す人1人に対し、企業の求人が幾つあるのかを示す。高度経済成長期後半の1973年11月の1.93倍が過去最高で、リーマン・ショック後の2009年8月には0.42倍まで落ち込んだ。その後、人手不足を背景に上昇したが、新型コロナウイルスの感染拡大で再び低下。社会経済活動の再開で改善傾向が続いている。

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