【アジアドラマをもっと好きになる】美しすぎた悲劇の王 “蘭陵王”とは?

Amazon Prime Video チャンネル「エンタメ・アジア」で見放題配信中の名作時代劇「蘭陵王」。2014年の日本リリースから10年近く経った現在も、ランキング上位に入る不朽の名作だ。今回は、本作の主人公であり実在の人物でもある「蘭陵王」について解説する。

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541~573年、本名・高長恭。魏晋南北朝時代末期、北斉の文襄帝の四男として生まれる。

564年、わずか五百騎で芒山の北周軍を破り、洛陽陥落の窮地を救った。このとき、蘭陵王は援軍を率いて城門にやってきたが、守備兵たちは彼が味方か判断できなかった。そこで蘭陵王が兜を脱いで素顔をさらしたところ、守備兵らが開門し無事に北周軍の包囲を破って勝利に導いたという。北斉の兵士たちはこの勝利と勇姿を称え、『蘭陵王入陣曲』という楽曲を作った。この逸話が変化し、「その美貌が兵士の士気を下げることを恐れ、仮面をつけて戦っていた」という有名な伝説が誕生した。

蘭陵王はその勇敢さと武勲ゆえに当時の皇帝(高緯)から疎まれ、573年、毒薬を賜りその生涯を閉じた。悲劇的な最期を遂げた蘭陵王だが、勇猛かつ美貌の名将として人気は高く、『蘭陵王入陣曲』は唐時代に日本に伝わり、現在でも雅楽の『蘭陵王』として愛され演じ続けられている。

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