「ハラスメントのない指導を」「意見が尊重されるチームを一緒につくる」 沖縄の高校生「部活動のあるべき姿」へメッセージまとめる

 生徒自身が部活動のあるべき姿や目指す方向性を協議する高校生検討委員会(沖縄県教育庁主管)の第5回の会合が2日、沖縄県うるま市の前原高校で開かれ、暴力や暴言、ハラスメントのない部活動に向け「県高校部活生メッセージ2023~変えよう部活、変えよう未来」を取りまとめた。指導者に対しては、コミュニケーションが取りやすく生徒の意見が尊重されるチームを一緒につくる、学校には定期的な部活動のハラスメント実態調査の実施などを求めた。今回が最終会合で、6日に半嶺満県教育長に手交する。
 メッセージは未来の部活動を見据え指導者と学校、部活仲間、保護者の4者それぞれに向けた提言。指導者には生徒と共に決めた目標に向けハラスメントのない指導を、学校には安心して活動できる環境づくりも求めた。また、仲間に対しては、自分の発言が相手を傷つけていないかを考えポジティブな発言を心掛けること、保護者には部活動に関心を持つことなどを求めた。
 
 生徒たちはこれまでの協議を経て、運動系、文化系問わず仲間との絆が深まり、自分の成長につながるなど部活動の意義を改めて確認した。一方で、指導者に意見が言いづらく、勉強との両立が難しいなど困りごとを抱える現状もあった。
 那覇西高3年の生徒(17)は、中高生の後輩のために策定に携わった。「ハラスメントのない部活動の未来につながってほしい」と期待を込めた。
 検討委は、部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受け、コザ高2年(当時)の運動部男子生徒が自ら命を絶った問題をきっかけに、暴力や暴言、ハラスメントのない部活動の環境を整えようと昨年12月に発足。県内7校22人の高校生が参加し、「部活は私たちのもの」を合言葉に協議を重ねた。
(吉田早希)
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