尖閣詳細データ取得へ上陸視野に議論を 佐藤氏

 佐藤正久元防衛大臣政務官は2日のブログで石垣市が実施した東海大学海洋学部の山田吉彦教授による尖閣諸島周辺海域での海洋環境調査の緊急報告内容を紹介。報告会への参加議員から「米国との連携を深めるべく、より尖閣諸島において施政権を行使すべきであるとの声があがった」としている。

 佐藤氏は「市町村単位で調査を行うのではなく、環境省・国交省・厚労省・各種専門機関が中心となり、国主導の研究を行うことで示すことができるだろう」とし「より詳細なデータ入手に上陸も視野に入れ議論を進めるべきだ。価値観を共有する国々と協力して調査をすることも検討できるだろう」との考えを示した。

 そのうえで「このような調査を実施するとなれば高度な政治的判断も必要になる。今後、提言等を行うことで、国防議連一同、尖閣諸島に対する日本の施政権を強化できるような議論を進めたい」と書き込んだ。

 佐藤氏は、今回の海洋調査に際して「調査船は海保巡視船に囲まれていたため、中国海警局から調査隊への直接的な妨害や実力行使は行われなかった。尖閣周辺に派遣されている巡視船が高い法執行力をもって調査隊を保護できたことは日本が持つ優れた警備能力を世界にアピールすることにつながったと考えられる」と副次的な成果も書いている。

 今回の調査では「魚釣島の南側斜面がヤギにより著しく食害を受けている状況が確認され、土壌が保水力を失い、斜面が崩落している状態となっていた。北側海岸線には中国漁船・台湾漁船由来を含むゴミの漂着も見られ、環境が悪化している状態を把握できた」としている。

 一方で「本調査はあくまでも石垣市が行ったものであり、活用できるヒト・モノ・カネが限られている。周辺海域から得られるデータは極めて限られているため、希少な植生物の詳細な調査は未だにできていない」などを課題に挙げている。(編集担当:森高龍二)

© 株式会社エコノミックニュース