パラ・パワーリフティング パリ大会へ向け最年長58歳のレジェンドが躍動

2024年パリパラリンピックで実施される競技「パラ・パワーリフティング」の日本一を決める大会が1月29日に中央区の築地本願寺で行われました。世界的にも珍しい「お寺」で行われたスポーツ大会に、開会式では宣誓ではなく選手たちの無事や活躍を祈ってお経が読まれました。

全日本パラ・パワーリフティングは世界選手権の日本代表を決める選考会の一つで、この世界選手権での好成績が2024年開催のパリパラリンピックにつながります。大会にはTOKYO MX「news TOKYO FLAG」の平井理央キャスターも応援に駆け付けました。

パラ・パワーリフティングは下半身に障害がある選手が上半身だけの力でバーベルを持ち上げます。トップレベルになると体重の2倍以上を挙げる選手もいるという「3年間の努力がおよそ3秒間に集約される」といわれる競技です。この日も会場には選手たちをたたえる拍手と歓声が響きました。

今大会の最年長は1964年東京パラリンピックの年に生まれた三浦浩選手(58)です。三浦は墨田区出身で、2年前の東京パラリンピックにも出場した"レジェンド”で、大会は実は三浦の"かつての仕事仲間”が本願寺の現住職という縁で実現したものです。

大会でも三浦が躍動しました。三浦は体重49キロクラスで128キロのバーベルを挙げ、銀メダルを獲得しました。その雄姿を客席で見つめていたのが孫娘の潤夏さんです。潤夏さんが「じいじ、かっこよかったです」と駆け寄ると、三浦は「じいじ、かっこよかった? やったー。サンキュー!」と言いながら孫娘にメダルをかけ、すっかり祖父の優しい顔に戻っていました。そして次に目指すは、パリパラリンピックのメダルのプレゼントです。会場には孫娘の潤夏さんを抱きながら「頑張るぞ!」と奮い立つ三浦の姿がありました。

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