接種2回以上で入院予防に コロナワクチンの有効性 長崎大熱研などが確認

 長崎大熱帯医学研究所などでつくる疫学研究チームは2日、新型コロナウイルスのオミクロン株に対し、2回以上のワクチン接種で入院予防に、3回以上接種で入院患者の重症化予防にそれぞれ有効性を確認したと公表した。
 同チームは新型コロナワクチンの有効性を評価する研究を2021年7月から実施。今回が第8報となる。対象ワクチンは米ファイザー製と米モデルナ製。
 入院予防は、オミクロン株の派生型「BA・5」が流行した22年7~9月、急性呼吸器感染症を疑う症状などがあって入院した16歳以上の727人(年齢中央値80歳)を解析。接種回数別の有効性は▽4回84.8%▽3回72.8%▽2回58.2%-だった。
 入院患者の重症化予防については、同1~9月に入院した16歳以上の789人(年齢中央値79歳)を解析。接種回数別の有効性は4回が78.2%、3回が56.9%と高かった一方、2回は16.3%にとどまった。
 接種回数が増えるにつれて有効性が上昇している点について同チームは「3、4回接種完了者と比べ、2回接種完了者は最後の接種から半年以上経過している症例が多い。回数による影響なのか、最終接種からの時間経過による影響なのかは現段階では不明」としている。


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