しもつかれを次世代へ あす宇都宮で2イベント 新アレンジ料理の販売も

本県を代表する郷土料理「しもつかれ」(県教委提供)

 郷土料理「しもつかれ」の魅力と可能性を次世代につなごうと、“探る”と“繋(つな)ぐ”をそれぞれキーワードにした二つの「しもつかれ博」が4日、宇都宮市インターパーク6丁目のミナテラスとちぎで同時開催される。いずれも初開催で、しもつかれの調理の特色や歴史、可能性を語り合うパネルディスカッションに加え、新たなアレンジ料理の販売やアート作品の展示、ライブを行う。

 2つのイベントは、「しもつかれ博-探る“千年フード”-」と「しもつかれ博-繋ぐ“千年フード”-」。しもつかれは本県などで初午(はつうま)の日に作られる行事食。イベントに掲げる「千年フード」は、しもつかれの起源が一説によれば平安時代までさかのぼることなどから名付けられた。

 「探る」は県教委が主催する。文化庁の「『食文化ストーリー』創出・発信モデル事業」の一環として開催。県は2021年度と22年度に同事業の補助金を受け、しもつかれの国無形民俗文化財登録を目指し調査を進めてきた。今回のイベントは、研究結果発表の場でもある。

 午後0時半からの第1部では、県立博物館の篠崎茂雄(しのざきしげお)人文課長ら専門家5人が登壇し、しもつかれの調理の特色や歴史などに迫る。同2時10分からの第2部は、しもつかれの可能性を探究する料理研究家ら4人が語り合う。調理実演や試食会も行う。

 一方、同時開催の「繋ぐ」は、栃木市の市民グループ「しもつかれブランド会議」が主催。飲食ブースに10店以上が集い、どら焼きやカレーなど各店が工夫を凝らしたしもつかれメニューが一堂に会する。デザインや音楽との融合など、料理とは違った面のしもつかれも楽しめる。

 開催日は今年の初午の日の前日。県教委の担当者はしもつかれをテーマとしたイベントでは「世界初の規模」と強調し、「しもつかれが今後、千年先にも伝わる食文化になれば」と話した。両イベントとも午前10時から午後3時半まで。

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