アークエッジスペース、超小型人工衛星「OPTIMAL-1」の通信確立と画像撮影などに成功

OPTIMAL-1は2022年11月27日、フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、SpaceXのドラゴン宇宙船で国際宇宙ステーションに輸送されていたという。2023年1月6日、国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟のエアロックから小型衛星放出機構(J-SSOD:JEM Small Satellite Orbital Deployer)を用いて宇宙空間へと放出され、無事に地球周回軌道への投入に成功した。

放出後の一連の運用において、試験電波による双方向通信を確立し、通信機、太陽光パネル、姿勢制御ユニットを始めとした主要機器、及び超小型「水」推進機、Store and Forward LoRa微弱通信機(S&F)、光モジュール、検証用のカラーカメラ等のミッション機器が正常に作動していることを確認しているという。また、S&F用アンテナの展開も正常に完了しており、それを用いた試験電波でのデータアップリンク・ダウンリンクにも成功しているとしている。

放出32分後にOPTIMAL-1の検証用カラーカメラが初めて撮影した画像(今後実証予定の超小型ハイパースペクトルカメラによる画像ではありません) ©福井大学/アークエッジ・スペース

今後、1カ月程度の初期運用を行ったのち、超小型推進機の実証、衛星上での高度情報処理(エッジコンピューティング等)、超小型ハイパースペクトルカメラ、IoT向け長距離・低電力な通信装置などの各種実証実験を行う予定。詳細は、今後同社ホームページ等にて報告するという。

OPTIMAL-1について

同社は、2019年に経済産業省の産業技術実用化開発事業費補助金(宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業)に採択され、「TRICOM衛星による超小型推進系・通信装置及び軌道上高度情報処理技術の実証事業」をテーマとして超小型人工衛星OPTIMAL-1の開発に取り組んできたという。

OPTIMAL-1は、2018年に軌道上実証した10cm×10cm×30cmサイズの3U汎用バスの機能をさらに高めるための改良とその実証を行うとともに、

  • 超小型「水」推進機
  • エッジコンピューティング
  • 超小型ハイパースペクトルカメラ
  • Store and Forward LoRa 微弱通信

―等の技術実証をメインミッションとしたマルチミッション衛星である。今後、世界の森林管理、農業、防災、物流、通信等に貢献することが期待されるという。

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