【しぶマリ図鑑】サカサクラゲ 砂地にごろん

サカサクラゲ

 透明なかさを閉じたり開いたりしながらぷかぷかと水中を漂い、長い足を揺らめかせ…という一般的なクラゲのイメージとはずいぶん異なる。薄茶色のかさを動かしはするものの、砂地にごろんと逆さに転がって、日光浴でもするように電球の光に照らされている。

 太陽光が届く程度の暖かな海の浅瀬に生息。しぶマリでは近しい環境を好む熱帯魚カクレクマノミを飼育している水槽から発生した幼生を育て、展示している。

 「褐虫藻」という藻の仲間を共生させており、光合成によって発生するエネルギーの供給を受けている。その量が多いほど体の色が濃くなっていくという。「あまり世話に手がかからないので、比較的家庭での飼育にも向いている」と源愛実飼育員。繁殖、飼育のしやすさから、昨今のクラゲブームの火付け役とも。

 生まれたばかりのときは透明だったり、青みがかった白色だったりと美しく、かさを上にした姿は雪の結晶にも似る。逆さまになって茶色いかさを広げる様子もチャーミングだ。しぶマリでは一般的なミズクラゲも観賞できる。

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 岡山県内唯一の水族館、玉野海洋博物館(愛称・渋川マリン水族館=しぶマリ)で飼育展示している生き物を紹介する。

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