【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第10話 藤浪晋太郎投手に会いに行こう

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。今年アメリカ中を飛び回り、MLB全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

ベイエリアに、ニュースター誕生

阪神タイガースの藤浪晋太郎投手が、オークランド・アスレチックスに入団!複数の球団が獲得に乗り出した中、先発投手の柱を求めるアスレチックスのため、剛腕を振り抜くことに決めました。アメリカ・カリフォルニア州の西海岸にあるオークランドは、お隣のサンフランシスコと共に「ベイエリア」と呼ばれます。美しい港町の景色、豊かなシーフード文化、過ごしやすい気候で人気の街です。

同じベイエリアの強豪NBAチーム「ゴールデンステイト・ウォーリアーズ」は『ベイエリアへようこそ⚾️🤝』と、野球とバスケットボールが握手をする絵文字付きで歓迎しました。

地元紙も『このオフ、最大の補強!』と期待を寄せています。猛虎から白象へ。メジャーリーガー・Shintaro Fujinamiが、力強さに磨きをかけ、夢の舞台で躍動してくれるはずです!

藤浪晋太郎選手、アスレチックスにようこそ

We've agreed to terms with RHP Shintaro Fujinami on a one-year contract for the 2023 season. pic.twitter.com/TSuqHuJRBv

— Oakland A's (@Athletics) January 13, 2023

オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアムへ

通称『オークランド・コロシアム』は、サンフランシスコの北東、カリフォルニア州・アラメダ郡・オークランド市にあります。「サンフランシスコ国際空港(東京から直行便で約9時間)」からは、車で30〜40分。「オークランド国際空港(ロサンゼルス国際空港から約1時間15分)」からは、車で7分です。スタジアムまでの移動は、車推奨です。

まるで古代ローマの円形闘技場「コロッセウム」を思わせるような、大きな円いスタジアムが見えてきたら…Oakland-Alameda County Coliseum! Nice to meet you!

[激闘の舞台・コロシアム!](

藤浪晋太郎投手に、会いに行こう

『オークランド・コロシアム』は、元々アメリカンフットボールと兼用のスタジアムとして建設されました。外野をぐるりと取り囲む壁、見上げるような高さの外野スタンドは圧倒的です。内野部分は、なだらかな傾斜なので、とても試合が観やすいです。

フィールド部分がとても広いことから、ブルペンもファールゾーンに位置しています。ホームチームのベンチがある三塁側のスタンドから、すぐ目の前。先発ピッチャーが試合に向けて投球練習を始めたら、その緊張感までも伝わってくるような距離感です。

[ベンチに柵がない唯一のMLBスタジアム](

そして、同学年の大谷翔平選手との名勝負も、また実現するはずです。同じアメリカン・リーグ西地区のロサンゼルス・エンゼルスとは、年間で13試合(アスレチックスホームゲームは6試合)が予定されています。3月30日の開幕三連戦から、さっそく相見えます!

Ballparkの楽しみ方

レフトスタンドにあるラウンジ「ツリーハウス」が、特徴的です。オークランド市は、文字通り『樫の木の地』というだけあって、木を大切にしてきました。ウッディーなフロアの中心には、バーカウンター。太さ1メートルを越す大木がいくつも横たわり、テーブルとして使われています。モニターや子供たちの遊び場もあり、家族で楽しめる素晴らしい空間です。その他、ベイエリアのグルメが揃ったフードコートや、子供たちが室内で走り回れるキッズエリアもおすすめです。

MLBでは珍しい、鳴り物を使った応援もアスレチックスの名物。ライトスタンドから、大声援が聞こえて来ます。熱狂的な阪神ファンに愛されてきた藤浪投手にとっては、ホームを感じるスタジアムになるはずです。

[ユニークな手作りの帽子を被ったファン](

また、アスレチックスの球団再建を、実話をもとに描いた映画「マネーボール」では、ブラッド・ピットさんが主演を務め、球団人気を底上げしました。劇中に座っていた三塁側の席からは、藤浪投手のピッチングが最高の角度で楽しめます。

藤浪投手が躍動することで、かつてのような勢いを取り戻すはずです。ぜひ映画を観て、苦しい時代を乗り越えて来たことに想いを馳せ、新時代のアスレチックスの救世主を、一緒に応援しに行きましょう!

[新時代のマネーボールが始まる!](

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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