暴力団装い女子高生脅して乱暴、現金奪った男に懲役22年判決 大津地裁

大津地裁

 暴力団員を装ってSNS(交流サイト)で知り合った当時16歳の女子高校生を脅して乱暴し現金を奪ったとして、強盗強制性交罪に問われた無職の男(40)の裁判員裁判の判決公判が3日、大津地裁で開かれた。大森直子裁判長は、既に有罪が認定されていた事件と併せて懲役22年(求刑同25年)の実刑判決を言い渡した。

 判決によると、男は2020年6月20日、SNSで約束して大津市内で会った女子高校生を「ヤクザみたいな仕事をしている」「裸の写真を撮って、個人情報を書いてもらう」などと脅迫して車内で乱暴し、現金5千円を奪った。

 男は10件の事件で起訴され、裁判官による区分審理で、当時13~18歳の女性7人への強制性交と強姦(ごうかん)罪、当時17歳の女性への児童買春・児童ポルノ禁止法違反罪が有罪とされた。一方、強制性交罪1件は無罪となった。裁判員裁判では、当時16歳の女子高校生への強盗強制性交罪が成立するかを判断した上で、既に有罪とされた事件を含め全体の量刑を決めた。

 被告は「性交は反抗を抑圧してしたものではなく、合意があった」と主張したが、大森裁判長は被害者の証言が信用できるとし強盗強制性交罪の成立を認めた。「援助交際をやめさせる目的だった」との主張も「実際の行動はこれと合わず、その目的があったとしても被害者の尊厳を無視した犯行が正当化されるはずがない。被害申告をしにくい人を狙って計画的に犯行に及んだ」とし、長期の実刑が相当と判断した。

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