<新型コロナ>どうなる卒業式…マスク「あり」「なし」揺れる県 「子どもへの配慮、説明の必要が…」

卒業式「マスクなし」検討 政府、来週にも方針

 新型コロナウイルス対策のマスクを巡り、政府が今春の小中高校などの卒業式や入学式では「着用を推奨しない」との指針を示し、マスクを外すことを可能とする案を検討していることが3日、関係者への取材で分かった。専門家の意見を聞いた上で校歌斉唱時の扱いといった課題を整理し、早ければ来週にも結論を出す見通しだ。

■埼玉県教育局「方針早急に」

 埼玉県教育局は新型コロナウイルス感染対策として、卒業式を含む行事や学校生活において、文部科学省のマニュアルに基づく対応するよう各校に求めている。国の卒業式にマスク着用を推奨しない案については、「方針が出れば、それに基づいて県の対応を決める。現状のままということはないと考えているので、早急に示してほしい」と話した。

 同局では県立学校版のガイドラインを作成し、文科省のマニュアルとともに県立学校や各市町村教育委員会などへ周知している。マスクについては、活動場所や場面に応じた着脱を推奨。屋内で1メートルを目安に人と人との距離が確保でき、会話のない場合や、屋外で距離を確保できなくても会話がほとんどない場合は、着用不要とした。そのほか、学校生活における近距離の会話や発声、音楽の授業での歌唱の際は着用を徹底するなどの対応を続けている。

 同局保健体育課は「子どもへの配慮はもちろんだが、学校や保護者に説明する必要がある。科学的根拠や、会話のありなしなど場面に基づいた検討があれば安心できる」と話した。

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