国体レガシー継承へ基金創設 大会誘致、市町助成に活用 栃木県 新年度予算案に5億円計上

栃木県庁

 昨秋開催された「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」のレガシー(遺産)を継承し、スポーツを活用した地域振興につなげるため、県が2023年度に基金を創設する方針を固めたことが、3日までに分かった。23年度一般会計当初予算案に積立金として5億円を計上する方針で、国際大会誘致や障害者スポーツの推進などさまざまな取り組みに活用するとみられる。

 新設するのは「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会レガシー基金(仮称)」。本年度中に策定予定の「とちぎスポーツの活用による地域活性化推進戦略(仮称)」に盛り込む大会誘致事業などをはじめ、とちぎ国体や障害者スポーツ大会で実施された競技の体験教室の開催、トップアスリートの招聘(しょうへい)といった大会のレガシー継承に取り組む市町への助成に充てる見通し。

 同戦略を基に県は23年度、国際大会誘致やスポーツと観光を融合させたスポーツツーリズムの推進を担う官民による組織「スポーツコミッション(SC)」を設立する。県が旗振り役となり、経済効果が見込める大規模大会やスポーツ合宿の誘致を目指すほか、自転車やゴルフなどテーマ別のツーリズムの可能性も探る方針で、基金を活用することでこうした流れを加速させたい考えだ。

 基金創設に向け県は条例を制定し、企業や県民からの寄付金の積み立てなども検討する。

 とちぎ国体・とちぎ大会の開催に当たり県は18年度、開催経費の一部に充てる目的で「国民体育大会・全国障害者スポーツ大会開催基金」を創設。60億円以上が集まり、開催経費の多くを賄った。また一般からの募金や企業からの協賛金は、5億円以上に上った。

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