備前焼 人間国宝の技と美 新見、伊勢崎淳さん作品展開幕

オブジェ「倒木再生」などが目を引く会場

 備前焼の人間国宝(重要無形文化財保持者)伊勢崎淳さん(86)=備前市=が手がけた近作・新作を中心に紹介する「人間国宝 伊勢崎淳 備前の世界」(新見市、山陽新聞社など主催)が4日、同市西方の新見美術館で開幕した。4月9日まで。

 鮮やかな緋襷(ひだすき)が走る大皿やつぼ、倒木群をモチーフにしたオブジェ「倒木再生」といった焼け色や形状の一つ一つに巧みな技を感じさせる陶芸作品に、書3点を加えた計52点を披露している。このうち2020年に伊勢崎さんから寄贈された大皿など9点が美術館初公開となる。

 10年代以降、70歳を超えてからの作陶が大半を占め、昨年仕上げたオブジェも。足を運んだ大勢のファンは、あふれる創作意欲に感心するようにじっくりと見入っていた。

 夫婦で訪れた岡山市中区、会社員男性(29)は「いろいろな表現があって興味深かった。特にオブジェが新鮮」と話した。

 伊勢崎さんが自作を解説するオープニングトークも行われた。

 午前9時半~午後5時。月曜休館。観覧料は一般800円、大学生500円など。問い合わせは美術館(0867―72―7851)。

作品から人間国宝の技と美が伝わる会場

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