裸衆350人 福求め宝木争奪戦 岡山・金山寺会陽 人数制限を解除

宝木を激しく奪い合う裸衆=4日午後10時5分

 まわし姿の男たちが宝木(しんぎ)争奪戦を繰り広げる会陽が4日夜、金山寺(岡山市北区金山寺)であった。新型コロナウイルスに伴う参加人数制限が3年ぶりに解かれて約350人が臨み、熱気に包まれた。

 夜が深まるにつれ観客は静かになり、境内は厳かな雰囲気に。午後10時すぎ、仮本堂脇に組まれたやぐらから岸本賢信住職(39)が国家安泰や新型コロナ収束の祈りを込めた宝木2本を投下。裸衆は野太い声を上げ、体から湯気を立ち上らせながら「福」を求めて一斉に手を伸ばした。

 数回参加している会社員男性(45)=岡山県和気町=は「元気をもらえるのが魅力。家族の健康と、今年一年の幸福を願った」と話していた。

 日中は小学生約50人による子ども会陽もあった。

 金山寺会陽は1200年の歴史があるとされる。新型コロナ禍で2021、22年は男衆を常連の30人に限定し、観客の立ち入りも禁止した。今回は来訪者の手指消毒などを徹底した。

 同県内では11日に安養寺(美作市)で子ども会陽があるほか、18日に西大寺観音院(岡山市)で会陽が行われる。

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