「2050年にワールドカップで優勝するためにJリーグは…」 野々村芳和チェアマンに聞く 新スタジアムへの期待

去年、就任したJリーグの 野々村芳和 チェアマンが、広島にやってきました。

ワールドカップ・カタール大会で盛り上がった直後の今シーズンに何を期待するのでしょうか。リーグ発足30年、6代目チェアマンに広島とJリーグについて語っていただきました。

Jリーグ6代目チェアマンの 野々村芳和さんは、ジェフ市原やコンサドーレ札幌でプレーした元Jリーガーです。(元Jリーガーがチェアマンになるのは初めて)

引退後、北海道コンサドーレ札幌の社長を9年間務めました。その間に対応した観客動員策として、「強化試合のスタメンをファン投票」「佐藤さんは310円で入場可能」「社長におねだり出来る回数券」などを実施。就任中の平均観客動員数は増え続けました。

そういった実績を経て、就任した野々村チェアマンに広島の新たなスタジアムへの期待、そして広島サッカーの未来について聞きました。

Jリーグ 野々村芳和 チェアマン
※ 付近のホテルから眼下にスタジアム建設場所を見て
「この辺から見たことあります。(半年前は)何もなかったですけど」

小林康秀 キャスター
「いかがですか、この半年の変化は?」

野々村 チェアマン
「すごいですね。ちょっとリアリティ出てきましたね」

小林 キャスター
「左の方を見ると旧市民球場です。2階建ての木造の建物が商業施設になります。さらにその向こうに原爆ドームがあります」

野々村 チェアマン
「地元の人もそうだし、ここに観光で来るとか、そんな人も増えそうですね。今までよりきっと華やかになる感じですかね」

小林 キャスター
「Jリーグは街中のスタジアムが必要であると提唱しています。どんな所にメリットや期待感?」

野々村 チェアマン
「それが何かというのは、たぶん10年とか20年とか経って、あのとき、スタジアムができて、本当によかったなというふうに多くの人が話し始めるんじゃないかと思います」

小林 キャスター
「街にできるスタジアムへ継続的にお客さんが入るためには、どんなことが必要?」

野々村 チェアマン
「新しいスタジアムができると、そこに行ってみたいというモチベーションで来る人は数年間はいると思う。その人たちをいかにサンフレッチェのファミリーにしていくかということが重要だったりすると思う」

小林 キャスター
「それは、イベントやソフト面・ハード面などでしょうか」

野々村 チェアマン
「イベントやスタジアムだけが楽しみだっていうことを繰り返すのは、やり方としてよくない。本物を、わが街のサンフレッチェを、みんなで作っているんだという空気をあのスタジアムでどう『作品』として見せるかですね」

野々村 チェアマンは、熱量のあるスタジアムの雰囲気を「作品」という言葉でよく表現します。

野々村 チェアマン
「その『作品』を見たいから新しい人が来る。そこには、最初はスタジアムに行ってみたいから来るという人もいると思います。それを一緒に作品を作る仲間にすることができるかどうか」

Jリーグはことし、チーム数を増やします。J1・J2・J3それぞれ20チームずつの合わせて60チームで開催されます。J3と下部組織のJFLとの入れ替え戦もスタートさせます。

小林 キャスター
「Jを目指すチームにとって厳しい道のり?」

野々村 チェアマン
「やはり簡単じゃ、だめですよね。サッカーが特殊とも思わないですが、昇降格があることによって競争してレベルを上げていくということをサッカーではやっている。難しい方が達成したときにはうれしいと思いますよ。(昇格するためには)いろんな問題が出てくるのは当たり前で、解決しながら成長していくという思いがないと、やっていても仕方がないと思うんです」

小林 キャスター
「海外志向も強く、大事な人材が出ていくことが多いが、Jリーグはどうあるべきでしょうか」

野々村 チェアマン
「海外に出ていくという選手については、出ていきたい気持ちもよくわかる。海外に行って全員がハッピーだったかというと、相当数うまく行かない人たちがいるのも、ここ数年でわかってきている。だから今はそういう時期。日本は成長しています。ヨーロッパも成長しています。若い選手が海外に行くことが多いかなと思う時期。だんだん変わっていくと思う」

ことしのサンフレッチェについては?

野々村 チェアマン
「去年、やりたかったことが、よりできると思う。1年目であれだけできたので、プラスアルファが絶対にあるだろうなというところ。(サンフレッチェは)行くでしょうと思っているライバルチームは多いと思う」

混戦模様だと話す今シーズンは、30年となる記念すべきシーズンとなります。

Jリーグ 野々村芳和 チェアマン
「日本代表が2050年にワールドカップで優勝すると掲げているということを考えると、今、サッカーを始めたばかりの子たちや始めそうな子どもたちが、代表の中心になる年齢です。そういう子どもが増えるように、Jリーグは楽しそうだな、キラキラしていていいなと思ってもらえるようなゲームをたくさん、それぞれの地域でいい作品として作っていってもらいたい。あのワールドカップと同じ盛り上がりを全国60か所で地域の盛り上がりが作られればと思います」

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