HOPPY team TSUCHIYAが2023年スーパーGT参戦体制を発表。菅波冬悟が新加入

 2月5日、スーパーGT GT300クラスに参戦するHOPPY team TSUCHIYAは、2023年の参戦体制を発表した。2022年にチームが作り上げた“ホピ子”ことHOPPY Schatz GR Supraを継続使用しヨコハマを履くが、TEAM MACHへ移籍した松井孝允に代わり、菅波冬悟がチームに加入。2年目の参戦となる野中誠太とコンビを組むことになった。

 2022年、若いチームメンバーの技量向上を目指すべく、土屋武士監督が亡き土屋春雄さんと交わした最後の約束として、いちからGTA-GT300規定のGRスープラを作り上げ、シリーズに挑んできたHOPPY team TSUCHIYA。シーズン途中にはテスト時のクラッシュでフロントに大きなダメージを受けるなど、多くの苦労を味わいながら一年を戦ってきた。

 とはいえ、獲得できたポイントは第6戦SUGOでの1点のみ。「正直、2022年は埋めてしまいたいほど嫌な思いをしたシーズン」だったとチームオーナーでもある土屋監督は振り返る。「忘れ去りたいのが本音ですが、これをすべて刻み、自分が背負っていかなければと年末年始ずっと考えていました」と、2023年に向けて「結果しかない。親父もいつも言っていましたが、優勝しかないんだ」と新シーズンへ結果を求めるべく、新たな体制を築くことになった。

「ずっとイライラしていましたが、勝たないとそのイライラは収まらない。応援してくださる皆さんも同じ思いをしているだろうと思いますし、勝たなければ自分たちがここにいる意味もない。応援される価値もない。そのなかで我々がやることはただひとつ。それだけに邁進していきたいと思います」

 もちろん、若き職人を育てるというチームの大命題はぶれていない。そのなかで「切り拓くのは人のパワーなんだ、というのを我々が見せていかなければならない。それが25号車の使命であり、皆さんの期待だと思っています。そこから逃げることなく、今シーズンも突っ走っていきたいと思います」と力強く意気込みを語った。

 こうして2023年の体制が構築されたが、その発表はHOPPY team TSUCHIYAらしい非常にユニークなスタイルとなった。近年はリリースをネット上で発行するのみで、体制発表会を行うチームは少なかったが、2月4日にチームを支えるホッピービバレッジの本社地下にある会員制サロンを使い、一部メディアとチームメンバー(もちろんドライバーふたりも)がホッピーを酌み交わす、懇親会兼体制発表というスタイルが採られたのだ。

HOPPY team TSUCHIYAの土屋武士監督、野中誠太、菅波冬悟、ホッピービバレッジ石渡美奈社長
2022スーパーGT第5戦鈴鹿 HOPPY Schatz GR Supra(松井孝允/野中誠太)

■「熱い戦いをする憧れのチーム」菅波も加入に喜び

 このなかで発表された2023年の体制は、2年目を迎えるHOPPY Schatz GR Supra、そしてヨコハマという体制はもちろん変わらず。ドライバーは野中がチームでの2年目を迎える一方、12月25日にTEAM MACHに移籍が発表された松井孝允に代わり、2019年から3年間GT300にフル参戦していた菅波が土屋監督のオファーに応え、チームに加わることになった。

「HOPPY team TSUCHIYAは、僕がスーパーGTにステップアップする前、FIA-F4で戦っていた頃から、同じ現場で見ていていつも熱い戦いをする、憧れのチームでした。そんなチームで今季ドライバーとして走らせていただけることを大変嬉しく思っています」と菅波。

「今年はとにかく、僕たちドライバーはレースの結果にこだわり、1周1周を大事に、全力で走っていきたいと思います。今日、この会の前にホッピービバレッジさんの工場を見学させていただいたのですが、社員の皆さんに激励の言葉をかけていただいたので、その思いを喜びに変えられるように頑張って走りたいと思います」

 そして2年目となる野中は、今季は具体的な目標を定める一年となる。「今季も25号車をドライブすることになりましたが、スーパーGTでも2年目となります。昨年ひとつひとつ積み上げてきたものを、今年は結果として残していきたいと強く思っています」と野中は意気込みを語った。

「僕自身、来シーズンGT500にステップアップできるようにしたいですし、それが松井選手がまた戻ってくるシートを作ることに繋がると思います」

 チームの共同オーナーであるホッピービバレッジの石渡美奈社長も「2003年からこの取り組みを行っていますが、ドラマがあるのが土屋武士さんの人生。今年もいろんなドラマがあると思いますが、チームの共同オーナーとして、監督をはじめ、皆さんがレースに集中できるようなオーナーになれるよう精進していきたいと思います」と期待を寄せた。

 土屋監督、そしてドライバーのコメントにもあるとおり、今季HOPPY team TSUCHIYAが求めるのは結果だ。土屋監督が高い評価を下しチームに迎えた菅波と、速さをみせる野中のコンビ、2年目のHOPPY Schatz GR Supraのポテンシャルが噛み合えば、目標達成は十分可能だろう。

HOPPY team TSUCHIYA 2023年スーパーGT参戦体制

チーム名:HOPPY team TSUCHIYA
メンテナンス:つちやエンジニアリング
車両名:HOPPY Schatz GR Supra
カーナンバー:25
ドライバー:菅波冬悟/野中誠太
共同パートナー:ホッピービバレッジ株式会社
タイヤメーカー:ヨコハマ
NICO girl 2023:神宮沙紀

懇親会は赤坂のホッピービバレッジ本社地下のサロンで行われた。サロンへの階段での菅波と野中
NICO girl 2023を勤める神宮沙紀さん(右)、チームの“レースクイーン部長”である岡島彩花さん(左)

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