女性活躍の職場評価 厚生労働省、「えるぼし」(3つ星)認定 糸魚川市能生の笠原建設

事務職、技術職、技能職それぞれの職種、職位で活躍する笠原建設の女性社員

 糸魚川市能生の笠原建設(鈴木秀城社長)は、女性の活躍を推進している企業として厚生労働省が認定する制度「えるぼし」(3つ星)認定を受けた。上越地域で初、県内の建設業では2社目。
 新潟労働局によると同社職員は男性136人、女性34人。正職員採用に占める女性の割合は20・0%。産業平均値14・2%を上回り女性の採用が進んでいる。継続就業は正職員女性13・38年、同男性14・20年と平均勤続勤務年数に男女間で大きな差がない。各月の法定時間外・休日労働の合計時間は平均8・8時間。仕事と家庭が両立しやすい職場となっているなど、認定に当たって全5項目の基準を満たし、最高位の評価3つ星を取得した。
 女性の就業は結婚・出産を機とした離職や出産・育児後に再就職した場合の非正規雇用など課題が多い。同社の女性職員はそれぞれ事務職、技術職、技能職で活躍している。産休・育休を経て職場に復帰し、継続してキャリアを積む先輩の姿を見て後に続く若手が増えているという。
 建築施工管理を担当する中川美紀さん(32、入社9年目)は「出産で休みを取るときに『戻ってきて』『期待している』の言葉を掛けてもらい、心強かった。社全体が受け入れ、(仕事を)続けやすい雰囲気」。出産を控える土木施工管理担当の山崎智美さん(27、同)も「働き始めやすさがある。現場でも男性と同じように仕事も雑談もできて分け隔てがない。やりがいがある」と話す。
◇地域企業への波及に期待
 2日に笠原翔太専務(35)が市役所を訪れて米田徹市長へ報告。「女性の力が企業の活躍に欠かせない。今後も男女ともに社員とその家族が充実した生活、人生を送れる職場環境の提供に取り組んでいきたい」と伝えた。
 米田市長は「先駆けて取り組まれ、地道な努力が評価を得た。市内の企業にもアピールし、取り組んでいける企業が増えるように」と実績をたたえ、波及効果を期待した。

女性活躍の証に「えるぼし」(3つ星)認定を受け、笠原翔太専務(写真中央)が米田市長へ報告した。ハローワーク糸魚川の木津淳也所長も同席

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