
[ミラノ 4日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は4日、短期的なインフレ期待が急激に低下し、中・長期的なインフレ期待がまだ抑制されていることから、ECBは慎重に利上げを進めることができると述べた。イタリアの金融市場協会の会議で語った。
ビスコ氏は、過度の引き締めは経済活動や金融の安定に「深刻な影響」を与えると警告。過度な引き締めは、金利決定のバランスにおいて、過度に緩やかな引き締めと同じ重みを持つリスクとみなしていると強調した。
ECBは2日の理事会で政策金利を0.5%ポイント引き上げ3%とし、3月にも0.5%ポイントの追加利上げの方針を示した。
ビスコ氏は、ECBは「既に講じた措置が経済とインフレ見通しに及ぼす影響を慎重に評価しながら、相当な注意を払いつつ引き締めを続けることができる」と述べた。
ビスコ氏はまた、イタリアの企業債務の大部分は変動金利で支払われており、企業は借り入れコストの上昇にさらされていると指摘。「今後、貸し倒れが大幅に増加する可能性は否定できない」と語った。
同氏は、銀行監督当局は、信用リスク、流動性リスク、借り換えリスクを特に監視しているとし、金利上昇が銀行の資金調達コストに従来よりも急速に反映される危険性があると述べた。