横浜の映画ファンが中心となって運営する映画の祭典「第44回ヨコハマ映画祭」の表彰式が5日、横浜市中区の関内ホールで開かれた。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。倍賞千恵子さんら銀幕のスターが受賞の喜びを語ると、830人の観客らが大きな拍手を送った。表彰式前には受賞作の上映も行われた。
「PLAN 75」で主演女優賞を受賞した倍賞千恵子さんは「横浜に住み始めて30年になる。この賞はいつかいただきたいと思っていた。今日はとてもうれしいです」と笑顔を見せた。81歳の倍賞さんは、健康法として風呂場で歌うといい、劇中で歌った「林檎(りんご)の樹の下で」を披露して会場を沸かせた。
同作では早川千絵監督が「森田芳光メモリアル新人監督賞」を受賞した。75歳以上に尊厳死の選択権が与えられた近未来が舞台で、早川監督は「人間の生きる力、生きる美しさを映画にしたい思いがあった」と明かした。