<金口木舌>パレードへのお誘い

 国際通りで外国人観光客の姿を見かけるようになった。行列ができている店もあり、コロナ前の雰囲気を思い出した。戦後復興、周辺に大型商業施設ができたことに伴う地元客離れと観光地化。この通りからは社会の変化がよく見える

▼昨年11月20日、通りはピンクと虹色で染まった。性的マイノリティーを含む全ての人が生きやすい社会を目指す「ピンクドット沖縄」が10周年を記念し、パレードを開催した

▼コミュニティーが狭い沖縄ではパレードは難しいと言われてきたが、参加者は300人を超えた。同性カップルの姿も多く見かけた。イベントは「同性婚の実現を」の掛け声で幕を閉じた

▼岸田文雄首相、松野博一官房長官が同性婚の法制化に否定的な考えを示した。首相は「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」と述べた

▼世論調査では同性婚容認が7割を占める。世界30以上の国と地域で同性婚が認められている。首相は各地で行われているパレードに参加してみてはいかがだろうか。永田町とは違う社会の風を感じるはずだ。

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