残り9ホールのローズ ペブルビーチプロアマでプレーする“資格”

最終ラウンドの前半で3つ伸ばしたジャスティン・ローズ(Orlando Ramirez/Getty Images)

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 4日目(5日)◇ペブルビーチGL(6972yd、パー72)、スパイグラスヒルGC(7041yd、パー72)、モントレーペニンシュラCC(6934yd、パー71)

日没サスペンデッドのホーンはフェアウェイ上で聞いた。最終ラウンドの後半10番、ジャスティン・ローズ(イングランド)は暗くなった視界を警戒して第2打の前にプレーを中断。ルールではこのホールまで回れたが、右サイドに太平洋を望むシビアなティショットを終えられただけで、「これであしたチャンスがある」と満足だった。

早朝からスコアを伸ばした。第3ラウンドの未消化分、モントレーペニンシュラCCでの上がり3ホールを1イーグル1バーディ。首位で決勝ラウンドに進むと、ペブルビーチGLでのフロントナインでさらに3つ伸ばした。6番(パー5)では、フェアウェイバンカーから4Iでピンそば3mにつけてイーグル。「勢いづけるところを探していたんだ」と右の崖のプレッシャーをはねのけ、2打リードの通算15アンダーにつなげた。

伝統の大会に臨む心構えは、普段と違うという。モントレー地方の風光明媚な3つのコースを連日アマチュアと回るプロアマ競技。

「この試合はPGAツアーでもすごく特別な試合。アマチュアとプレーすること、グリーンが完ぺき(にスムーズ)でないこと、プレーペースも遅いこと…。そういったことへの正しいマインドセットが必要。イライラするのであれば、ここに来るべきではないと思うよ」。今年は自身のスポンサーでもある投資銀行大手モルガン・スタンレー幹部との同伴ラウンドを楽しみ、第2ラウンドのスパイグラスヒル15番(パー3)ではホールインワンも決めた。

PGAツアー通算10勝は戦後の英国人として最多。そのタイトルからは2019年「ファーマーズインシュランスオープン」を最後に遠ざかっている。同年の「全米オープン」で3位に入ったペブルビーチ。「いつもの日曜日ではなく、月曜日であっても、ペブルの18番での景色を前にタップインして優勝できたら」と逃げ切りを誓った。

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン