「起訴事実について誤りがあります。否認し、争います」河井事件・安芸太田町義が無罪主張 被買収側の現職議員で初の正式裁判

河井夫妻の大規模買収事件をめぐる裁判…。3日、安芸太田町の町議は、初公判で無罪を主張しました。被買収側で、現職議員の正式な裁判が開かれたのは初めてです。

起訴状によりますと、安芸太田町議会議員の 矢立孝彦 被告(69)は、4年前の参議院選挙で、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫・克行 元法務大臣から現金20万円を受け取った罪に問われています。

3日の初公判で、矢立被告は「起訴事実について誤りがあります。したがって否認し、争います」と無罪を主張しました。

検察側は冒頭陳述で、「克行元法務大臣がテーブルに置いたまま立ち去った封筒を、返したら関係が悪化するとして犯行に及んだ」「妻に返すよう言われていたが長期間におよび家で保管を続けており、受け取る意思があった」などと指摘しました。

一方、弁護側は、「私物とは混同しないようにし、封筒には矢立被告が『河井置き逃げ返せ』と書いて一瞬たりとも私物にはしていない」などと主張しました。

被告人質問で検察から「現金をどういう形で返そうと考えていたか」と聞かれると、矢立被告は、「ひとつは祝賀会などのお祝い事で別の名目で返すのが自然で角が立たないと考えていた」などと説明しました。

次の裁判は17日に開かれ、結審する予定です。

事件発覚後、矢立被告は現金20万円を受け取ったことを認め、議長を辞任しましたが、議員の職は任期満了まで務めました。

おととし3月、町議選にあらためて立候補し、当選。去年3月、在宅起訴されました。

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