歴史ある雛人形 気品と華やかさ 倉敷・旧野崎家住宅 200点公開

由緒ある雛人形が並ぶ会場。左奥の2体が「享保雛」

 倉敷市児島味野の国重要文化財・旧野崎家住宅で、所蔵する雛(ひな)人形や雛道具を集めた「野崎家のお雛様展」が開かれている。明治期を中心とした約200点を公開。気品と華やかさを備えた雛が並ぶ会場は一足早い春の雰囲気に包まれている。4月9日まで。

 雛人形では国内最大級を誇る享保雛(高さ約80センチ)は、野崎家3代目当主の武吉郎(1848~1925年)に岡山藩主だった池田家から贈られた逸品で、繊細な表情が印象的。皇室にも数多くの作品を納めた京都の名工が手がけたみやびやかな五段飾り、洋装の明治天皇をモデルにした変わり雛、「見えっ張り雛」と呼ばれる長い袖が特徴の古今雛も披露されている。

 床の間にも日本画家・土佐光武による三幅対の掛け軸「立雛図」や布で立体感を出した「押し絵雛」が飾られ、来館者が見入っていた。三宅功一学芸員は「当主の娘たちの初節句を祝って贈られた歴史のある品々も並ぶ。美しい人形をめでて心を癒やしてもらいたい」と話している。

 月曜休館(27日、3月6日は開館)。入館料は大人500円、小中学生300円(土・日曜、祝日は高校生以下無料)。問い合わせは同住宅(086―472―2001)。

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