三谷幸喜監督「ザ・マジックアワー」、中国リメーク版が記録的大ヒット

2008年に日本で公開された三谷幸喜脚本・監督の映画「ザ・マジックアワー」が中国でリメークされて大ヒット。22年中国映画興行収入ランキング3位という快挙を成し遂げた。

「ザ・マジックアワー」は、暗黒界のボスの愛人に手を出した男が、命を助けてもらう代償に伝説の殺し屋を連れてくることを命じられ、売れない役者に映画の撮影だとうそをつき、殺し屋に仕立て上げたことから始まるオリジナル・ノンストップ・コメディー。佐藤浩市、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行ら豪華な顔ぶれが集結し、興行収入39.2億円の大ヒットを記録した。

日本のコメディー映画のリメークを考えていた中国テンセントグループの大手映画配給制作会社・新麗伝媒が、同作に目をつけ、フジテレビに中国でのリメークを打診。日本公開から14年の歳月を経て、映画「这个杀手不太冷静(この殺し屋はクールじゃない)」として生まれ変わり、春節にあたる22年2月1日に公開された。

公開当時は1カ月で上映を終了する見込みだったが、中国でもファンが多い三谷幸喜作品のリメークということに加えて、この作品で映画初主演となった魏翔(ウェイ・ショウ)が舞台俳優だったことがストーリーとリンクしていることも話題に。SNSで反響を呼び、7カ月にわたって上映されるという異例のロングランを記録した。最終的な興行収入は26.27億元(約533.8億円)。22年中国映画興行収入ランキングで第3位にランクインした。

これまで中国でリメークされた日本映画で最もヒットしたのは、「鍵泥棒のメソッド」をリメークした「人潮汹涌」(21年)で、興行収入7.62億元(約140億円)だったが、「这个杀手不太冷静」はこの記録を大幅に更新する記録的大ヒットとなった。

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