「飛べばいいってもんじゃない」 小平智のロングゲームを支える“不動”の2本

今週何度もイーグルチャンスを演出した5Wは2012年発売のモデル ※撮影は練習日(撮影/亀山泰宏)

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 最終日(6日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇6972yd(パー72)

“準シード”に当たるフェデックスカップランキング150位からシード返り咲きを目指す小平智。PGAツアーで生き残っていくためには、並み居る飛距離自慢たちを上回るロングゲームの精度が求められる中でクラブセッティングにこだわりをのぞかせる。

特にフェアウェイウッドは3Wが2018年発売の「テーラーメイドM4」、5Wが12年発売の「プロギア iD nabla black」の2本がバッグに収まって久しい。最近、他メーカーの最新モデル3Wを試していたこともあったが、前週「ファーマーズインシュランスオープン」から使い慣れたものに戻した。

「いまの(最新)クラブの傾向として、3Wもロースピンで飛ぶ感じがする」とした上で「僕は3Wと5Wに対しては、そんなに距離を求めていない」と言い切る。

大事なのはキャリーでイメージ通りの距離を出せるかどうか。「そこのイメージは大事にしたい。“飛べばいい”ってもんじゃないんです。僕がこっち(米国)で戦うためには距離が(残るということも)あるので、(パー4の)セカンドで使ったりもしますから」。かぶって見えない好みの顔、パー5の2オン狙いでグリーンに止めていくためのスピン量といった条件に当てはめていくと、なかなか取って代わる2本がないという。

第3ラウンドの残り5ホールと、最終ラウンド15ホールで7バーディを奪った4日目に見せたパー5での2度の2オンは、いずれも5Wでイーグルチャンスを演出した。

1Wは昨年10月から「タイトリスト TSR2」を使用。投入とほぼ同時期にシャフトを45インチと長くした。「調子も良かったので、(0.5インチ)長くしてもいけるんじゃないかという手応えがあった」。ペブルビーチGLを回った最終ラウンドにフェアウェイキープ率100%(14/14)を記録するなど、今大会72ホールで83.63%(46/55)はフィールド1位タイの数字。高精度を維持したまま、進化を追求している。

<2023年AT&Tペブルビーチプロアマのクラブセッティング>

ドライバー:タイトリスト TSR2(10度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD クアトロテック(75X、45インチ)
フェアウェイウッド:テーラーメイド M4(3番15度)、プロギア iD nabla black(5番18番)
アイアン:ヨネックス EZONE CB702 フォージド(4番)、タイトリスト 620 CB(5-PW)
ウェッジ:タイトリスト ボーケイ SM9(52、56、60度)
パター:スコッティキャメロン PHANTOM X 7.5 プロトタイプ
ボール:タイトリスト プロV1x

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