シクロ、宇宙ビール醸造に向け東大・奈良先端大らと宇宙培養酵母を共同研究

シクロは、DigitalBlastと2024年にISSでの小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」を用いたビール酵母の培養実験を計画している。両社は2022年5月に業務委託契約を締結しており、シクロが民間企業初の本装置の利用事業者となる。

そこで、地上で宇宙環境に近い環境を模擬するクリノスタット(微小重力環境細胞培養装置)を用いた酵母実験の研究経験がある東京大学の大矢禎一教授や奈良先端科学技術大学院大学の渡辺大輔准教授の協力のもと、宇宙実験に向けたビール酵母の適合性試験を実施する。実験で得られたデータをもとに宇宙実験に最適なビール酵母の品種や輸送条件等を検討するという。

小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」のプロトタイプを囲む(前列左から)DigitalBlast仲田氏、森氏、東京大学 大矢禎一教授、奈良先端科学技術大学院大学 渡辺大輔准教授、東京大学 塙奈美技術員と研究チーム

小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」

DigitalBlastが開発するAMAZは、宇宙環境と月面重力における植物生理の研究を主目的としている。装置の一部を回転させることにより生じる遠心力を用いて、月面と同じ地球の6分の1の重力を再現できるという。また、回転速度を変更することで様々な重力環境を再現し、同時比較することが可能。多様な重力下での栽培・培養を通して、生物の重力応答に関する基礎データを取得する。

既にプロトタイプが完成し、地上実験を進めており、2024年にISSでの本装置の設置・運用を目指すとしている。

小型ライフサイエンス実験装置「AMAZ」の一部が回転している様子

▶︎株式会社シクロ

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