転んでもけがしにくく 紀州材の床、適度に衝撃吸収

紀州材のスギを使った床(和歌山県提供)

 和歌山県は、紀州材(スギ、ヒノキ)の良さを広く一般に知ってもらうため、さまざまな試験結果を示してPRしている。衝撃吸収試験では、紀州材に適度な堅さがあり、床材に向いていることが分かった。県は「木の床は転倒してもけがをしにくい。身近な紀州材をどんどん使ってほしい」と呼びかけている。

 普段何げなく歩いている床は堅さが重要。堅過ぎると足腰などに負担がかかり、逆に軟らか過ぎると余分な力が必要になる。その点、木はパイプ状の細胞が集まって構成されており、衝撃が加わると適度に変形する。転倒した場合もダメージを和らげてくれる。

 衝撃吸収試験では、重さ3グラムになるようガラス玉(直径16ミリ)に砂を入れ、「鉄」「コンクリート」「プラスチック(ポリ塩化ビニル)」、紀州材(スギ、ヒノキ)に落下させた。

 落とす高さを10センチずつ上げていき、どの高さでガラス玉が割れるかをそれぞれ10回試した。この結果(平均)、スギは2メートルまで上げても一度も割れることはなかった。試しに3メートルから落としても割れなかったという。次いでヒノキの1.33メートル。プラスチックは54センチ、コンクリート40センチ、鉄32センチだった。

 県林業試験場の山裾伸浩主任研究員は「学校や保育所などはコンクリート製の床が多いが、最近は木が見直されてきている。価格的にも節のある板をうまく活用することで抑えられる」と話している。

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