1471日ぶりV ローズがPGAツアーで戦い続ける理由

42歳で4年ぶり復活Vの J.ローズ(Ezra Shaw/Getty Images)

◇米国男子◇AT&Tペブルビーチプロアマ 最終日(6日)◇ペブルビーチGL(カリフォルニア州)◇6972yd(パー72)

優勝カップを掲げるのは2019年「ファーマーズインシュランスオープン」以来、1471日ぶりのことになる。ジャスティン・ローズ(イングランド)は「優勝に飢えている中で、このような場所で優勝できた。待つだけの価値があった」と、ペブルビーチで達成したカムバックの味をかみしめた。

2打リードで、最終ラウンド9ホールを持ち越した月曜日。この日最初の一打となった10番セカンドの9Iは朝の寒さもあって思ったように飛んでくれなかった。それでも、1.5mのパーパットをねじ込んだことが11番で8mを沈めるバーディにつながった。「まさに僕が求めていたスタートができた」。ブレンドン・トッドに1打差に迫られても、6mを決めた13番からの2連続バーディで流れを渡さなかった。

かつてのナンバーワンも勝利から遠ざかり、大会が始まる前の世界ランキングは71位。2017-18年シーズンの年間王者が、2シーズン前にはフェデックスカップポイントランク126位に沈んだ。昨年からベテランの域に入った選手たちが次々と「LIVゴルフ」に新天地を求めた中でも、「メジャーでプレーすることが子どものころからの夢。それこそ、僕が今プレーしている場所(PGAツアー)で戦うことを決めた要因」と意志を貫いた。

だからこそ、優勝によって4月「マスターズ」の切符をつかめたことがうれしい。2010年「全英オープン」から続くメジャー連続出場へ、大会直前の世界ランクトップ50入りでの滑り込みを狙って、出場試合数を増やしていた必死さも報われた。

戦後の英国人として最多のPGAツアー勝利数を「11」に伸ばした。1937年に始まった伝統のトーナメントで欧州出身のプレーヤーが優勝するのは初めてのことでもあった。「メジャーで勝つチャンスがあると思えるようなレベルまで、自分のプレーに磨きをかけ続けたい」。復活を遂げた42歳は、ひときわ力を込めた。(カリフォルニア州ペブルビーチ/亀山泰宏)

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