「遺伝的影響は明確に否定できないものの、有力な見解ではない」広島地裁も被爆二世の訴え退ける

被爆した人を親に持つ『被爆二世』が十分な援護措置が無いのは違法だとして、国に損害賠償を求めた裁判で、広島地方裁判所は7日、原告の訴えを退けました。

この裁判は、広島で被爆した親を持つ被爆二世28人が、原爆による放射線被害の遺伝的影響の可能性があるにもかかわらず、国が十分な援護策を講じなかったのは憲法に違反すると訴えていたものです。

広島地裁の 森實将人 裁判長は、「遺伝的影響の可能性が明確に否定されてはいないものの、通説的見解や有力な見解とはなっていない」と指摘しました。さらに、援護策についても、「国が立法措置を講じないことが直ちに合理的な理由のない不当な差別的取り扱いとはいえない」と判断しました。

原告団 平野克博 事務局長
「非常に残念です。残念とだけ言っているわけにはいかないので、これからも戦っていくのみだ」

判決後に記者会見した原告団は、「原告の訴えに全く耳を貸そうともしない不当極まりないもの」と判決を批判しました。原告は、控訴する方針です。

長崎地裁も去年12月、被爆二世の同様の訴えを退けています。

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