乳幼児の副反応「成人より低い」 コロナワクチン 県など中間報告

 岡山県と岡山大は、新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた乳幼児の副反応に関する調査で、発熱や接種部位の痛みといった副反応が出る割合は「成人より低い」とする中間報告をまとめた。同様の調査は全国的に少なく「接種の判断材料にしてほしい」としている。

 同県内で昨年11月~今年1月、米ファイザー製を接種した生後6カ月~4歳の延べ278人(1回目188人、2回目90人)を対象にアンケート。2021年に接種した成人延べ約8千人と比較、分析した。乳幼児は3回接種が必要だが、今回は3回目を調査対象から外した。

 報告によると、37.5度以上の発熱があった乳幼児の割合は1回目が5.9%と成人(2.7%)より高かったものの、2回目は乳幼児の6.7%に対し成人が37.5%と急増し、30ポイント以上下回った。発熱した乳幼児の半数近くで最高体温が38度を超えたが、39度を超えた子はいなかった。

 1回目が成人を上回った点について県などは「乳幼児は普段から熱を出しやすく、副反応以外の発熱が一定数含まれた」とし、2回目の成人で目立つ発熱割合の上昇がほとんどないことから「副反応として起こる頻度は低い」と結論付けた。

 接種部位の痛みや腫れ、赤みが出た割合も成人より軒並み少なく、1回目が71.7~2.8ポイント、2回目が63.7~9.9ポイント下回った。

 副反応が出た割合に性別や年代、アレルギーの有無との因果関係は認められなかったという。

 同県内で乳幼児の1回目接種率は6日時点で2.7%(全国平均3.4%)。県ワクチン対策室は「調査結果を基に効果とリスクをしっかり見極め、接種するかどうかを決めてほしい」と呼びかけている。

© 株式会社山陽新聞社