国の天然記念物アマミノクロウサギ、ノネコ用わなにかかって死ぬ 世界自然遺産の徳之島で2匹

アマミノクロウサギ

 世界自然遺産に登録された徳之島で、野生化した猫(ノネコ)の捕獲用に設置したわなに国指定特別天然記念物アマミノクロウサギ2匹が入り込み、死んでいたことが7日分かった。

 環境省によると、場所は鹿児島県徳之島町の林道「山クビリ線」。同林道に入った住民から通報を受けた同省職員が1月17日、骨と皮の状態となった死体を、2個の鉄製かごに各1体ずつ確認した。ノネコのわなでクロウサギが死んだのは徳之島島内で初めてとみられる。

 町や関係者によると、同林道には環境省からノネコ対策を委託された団体がわな3個を設置。わなは中に動物が入ると扉が閉まる仕組みで、通常は扉を閉じ、ノネコの発生情報が入った時だけエサを入れて扉を開ける。同団体の職員が1日2回確認に訪れていた。

 2021年6月発生の路面崩壊で同林道が立ち入り禁止区域となったため、同団体はかごの扉を閉じた状態にして、職員に立ち入りを禁じていたという。

 団体の広報担当は「閉め忘れの可能性もあり、申し訳なく思う。点検方法を見直し、再発防止に努める」と話した。

わなに掛かって死んだアマミノクロウサギが見つかった林道「山クビリ線」の入り口=7日、徳之島町花徳

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