えちぜん鉄道、福井鉄道がイコカやSuica導入 交通系ICカードでキャッシュレス決済へ、2025年春開始予定

車載型の交通系IC改札機(福井県提供)

 北陸新幹線の福井県内開業後の観光客増加を見込み、えちぜん鉄道と福井鉄道は交通系ICカードを導入する。ICOCA(イコカ)やSuica(スイカ)など10種類のカード(10カード)によるキャッシュレス決済に対応する。新幹線開業1年後の2025年3月のダイヤ改正に合わせて運用開始する予定。

 福井県が機器の導入支援として本年度2月補正予算案に4億3900万円を計上した。

⇒福井県内の路線バス、2024年に交通系ICカード導入

 県内の地域公共交通機関のキャッシュレス化を巡っては、新幹線延伸に伴いJR北陸線を引き継ぐ並行在来線「ハピラインふくい」、京福と福鉄の路線バスが24年春から10カード決済に対応。公共交通機関の決済手段が統一されることで県民にとっても利便性が高まりそうだ。

 カードをタッチする機器約410台、発券機やチャージ機計約100台を整備する。車両内で乗車時、降車時にカードをかざして決済するが、有人駅や福鉄福武線の福井城址(じょうし)大名町駅や仁愛女子高校駅など乗降客が多い停留場は改札やホームに機器を設置する。23年度は機器を製造し、24年度にシステム開発や設置工事を進める。

 キャッシュレス決済には、クレジットカードのタッチ決済やQRコードを活用した切符などいくつか種類があるが、全国のJRや私鉄が10カードを採用しており、首都圏などからの来県者の利便性を考慮した。ネックとなる高額な初期投資については、国庫を活用し県の負担を軽減。導入費用について県が3分の2、国が3分の1を補助する。

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